シラネワラビ Dryopteris expansa  (Pr.) Fr.-Jenkins et Jermy
  山地・林床のシダ 
 兵庫県RDB Cランク種
オシダ科 オシダ属
Fig.1 (兵庫県養父市・ブナ林の林床 2014.6/25)

Fig.2 (兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)

温帯林の林床や林縁に夏緑性シダで、しばしば群生する。
根茎は太く短く、横走または斜上し、匍匐枝を出し、鱗片をつけ、葉を叢生する。葉柄は長さ10〜40cm、わら色、密に鱗片をつける。
鱗片は淡褐色、中央付近が広い暗褐色の帯状となることがあり、膜質、卵形〜広披針形、鋭尖頭、基部は心形、長さ1.5cmを超えることがある。
葉身はやや5角状の長楕円形、長さ20〜60cm、幅15〜35cm、3回羽状深裂〜全裂、中軸や羽軸に狭い鱗片がまばらにある。
羽片には短い柄があるか無柄、最下羽片は傾いた3角状卵形。小羽片は長楕円状披針形、鋭頭〜鋭尖頭、無柄、羽状に深裂〜全裂する。
裂片は幅2〜4mm、先が芒状に伸びる鋭鋸歯がある。葉質は草質、鮮緑色、小羽軸の裏面にまばらに狭い鱗片がある。
胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間につき、やや小型、苞膜は径約1mm、全縁。

【メモ】 本種はシカの不嗜好植物で、今後殖える可能性があるが、知床半島では本種も食害にあっているようである。
近縁種 : ミサキカグマ

■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 北半球の温帯域
■生育環境:山地の林床や林縁など。温帯域。

Fig.3 地上部標本。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
  葉身はやや5角状の長楕円形、長さ20〜60cm、幅15〜35cm、3回羽状深裂〜全裂する。葉質は草質、鮮緑色。
  葉柄は長さ10〜40cm、わら色、密に鱗片をつける。

Fig.4 葉柄基部近くの鱗片。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
  鱗片は淡褐色、膜質、卵形〜広披針形、鋭尖頭、基部は心形、長さ1.5cmを超えることがある。
  中央付近が広い暗褐色の帯状となった鱗片が多い。

Fig.5 最下羽片。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
  最下羽片は傾いた3角状卵形。

Fig.6 中軸。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
  中軸や羽軸には溝があり、狭い鱗片がまばらにあり、それぞれの溝は連続する。

Fig.7 小羽片。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
  小羽片は長楕円状披針形、鋭頭〜鋭尖頭、無柄、羽状に深裂〜全裂する。

Fig.8 裂片には先が芒状に伸びる鋭鋸歯がある。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)

Fig.9 小羽片の裏面。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
  胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間につく。

Fig.10 苞膜。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
  苞膜は腎円形、径約1mm、全縁。

生育環境と生態
Fig.11 沢の源頭部に成立した湿地に群生するシラネワラビ。(兵庫県宍粟市・沢源頭部の湿地 2011.6/8)
比較的雪融けの遅い沢の源頭部の湿地の林縁部にシラネワラビの群生が点在していた。匍匐枝で広がるので群生することが多いようだ。
湿地にはヤマテキリスゲ、イグサが優占し、オオバタネツケバナ、ミズタビラコ、ミゾホオズキ、トモエソウ、サワオトギリ、コクワガタ、ボタンネコノメソウ、
ミヤマタニソバ、サワハコベ、ヤマトウバナ、アケボノソウ、アカバナ、ヤマブキショウマ、ニョイスミレ、オタルスゲ、ミヤマジュズスゲ、ジュウモンジシダなどが生育し、
湿地に続く草地斜面にはイワヒメワラビ、アカショウマ、ホウチャクソウ、カワラスゲ、オクノカンスゲなどが見られた。


最終更新日:6th.Sept.2014

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