シシウド | Angelica pubescens Maxim. | ||
里山・草地の植物 | セリ科 シシウド属 |
Fig.1 (兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) 丘陵〜山地の湿った草原や里山の棚田の土手、林縁などに生育する一稔性草。 茎は高く1〜2mとなり、上部で枝を張り、葉とともに細毛がある。 葉は2〜3回3出複葉で、小葉は長楕円形で鋸歯があり、頂裂片の基部は羽軸に流れる。葉柄はふくらんで袋状となる。 花序は大きく広がり、総苞片も小総苞片もない。花には萼歯片はなく、花弁は白色。 果実は広楕円形で両端は凹み、分果の背隆条は脈状、側隆条は広くて薄い翼となる。油管は背溝下に1〜4個、合生面に4〜6個ある。 近縁種 : ノダケ、 ヒメノダケ、シラネセンキュウ ■分布:本州、四国、九州 ■生育環境:丘陵〜山地の湿った草原や里山の棚田の土手、林縁など。 ■花期:8〜11月 |
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↑Fig.2 茎。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) 茎や葉には細毛が生える。茎は中空である。 |
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↑Fig.3 葉。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) 葉も大型となり、初夏ごろから草地の中でよく目立つ。 |
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↑Fig.4 葉。(兵庫県三田市・小河川の堤防 2007.8/16) 葉は2〜3回3出羽状複葉。各頂裂片の基部は羽軸に流れる。 |
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↑Fig.5 葉柄はふくらんで袋状となる。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) |
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↑Fig.6 花序(大散形花序)。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) 花序は複散形花序で、大きく散開し、基部に総苞片はない。 |
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↑Fig.7 小散形花序。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) 小散形花序の基部には小総苞はつかず、花柄は長く伸びる。 |
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↑Fig.8 シシウドの花。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) 花弁は5個で白色、鋭頭で先は内に巻く。子房下位で、萼歯片はなく、子房には隆条がある。 雄蕊は5個。雌蕊は盤状で、表面に隆起がある。小花柄には細毛が生えている。 |
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↑Fig.9 果実期の小散形花序。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) |
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↑Fig.10 熟しかけた果実。(兵庫県養父市・棚田の畦 2010.10/11) 果実は分果で、縦に2つに分離する。画像では合生面は見えず、背面のみが見えている。 背面には脈状の隆条があり、両縁は翼状となり、上下の両端は凹む。 分果についているのはアリマキ(アブラムシ)で、とりついて養分を摂取している。 |
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↑Fig.11 早春に根茎から出た新葉。(兵庫県篠山市・林縁草地土手 2011.3/8) 同所的にハナウドが生育しているが、出芽はハナウドよりも少し遅れる。 |
生育環境と生態 |
Fig.12 山間棚田の土手に生育するシシウド。(兵庫県養父市・棚田 2010.10/11) 山間の斜面につくられた棚田の土手にシシウドが点在していた。 土手はヨモギ、チガヤ、ノコンギク、ツリガネニンジン、ヤブマオ、ゼンマイ、クズとともにシシウドが多く見られ、カニクサ、アキカラマツ、 ヤマハッカ、ボタンヅル、エノコログサ、イヌタデ、ススキ、アキノキリンソウ、イタドリ、ナワシロイチゴ、ヨシノアザミ、コウゾリナ、ドクダミ、 ヘクソカズラ、ヤマツツジなどが見られ、土手の下部にはミゾソバ、ヤノネグサ、スギナ、タカサブロウ、オオハシカグサなどが見られ、水田中には マルバノサワトウガラシが多産する。 |