トキワトラノオ Asplenium pekinensis  Hance
  山地・着生植物 チャセンシダ科 チャセンシダ属
Fig.1 (西宮市・砂防ダム壁面 2010.11/14)
岩上、石垣などに着生する常緑性シダ。
コバノヒノキシダに酷似するが、鱗片は褐色で、その基部の背面に褐色の毛が生える。
葉は2〜3回羽状複葉、コバノヒノキシダよりも切れ込みは浅く、葉質は厚くて深緑色、光沢がある。
最下羽片は小さくなり、裂片は花火状に四方に向く。裂片はやや幅が広く、ソーラスが1〜3個つく。
近縁種 : コバノヒノキシダ

■分布:本州(栃木県以西)、四国、九州、沖縄 ・ 朝鮮半島、シベリア東部、台湾、中国
■生育環境:山地よりの岩上、石垣など。

Fig.2 全草標本。(西宮市・低山道端の石垣 2015.1/27)
  葉は2〜3回羽状複葉で、コバノヒノキシダよりも多少厚味と光沢がある。最下羽片は最も小さくなる。

Fig.3 葉柄基部の鱗片。(西宮市・林道脇の石垣 2011.2/2)
  鱗片は褐色で、披針形。鱗片背面基部の毛が葉柄を覆っている。

Fig.4 鱗片の拡大。(西宮市・低山道端の石垣 2015.1/27)
  鱗片は網目があり、背面基部には褐色の毛が生える。

Fig.5 最下羽片(矢印)。(西宮市・公園の石垣 2011.2/25)
  最下羽片は小さくなり、裂片は花火状に四方に向く

Fig.6 羽片裏面。(西宮市・林道脇の石垣 2011.2/2)
  胞子嚢群(ソーラス)は線状長楕円形。苞膜は全縁。

生育環境と生態
Fig.7 山間の道路脇の石垣に生育するトキワトラノオ。(西宮市・道路脇の石垣 2009.11/28)
コケむしたかなり古い時代に造られた石垣壁面に着生している。他にヤブソテツ、ゼンマイ、ベニシダなどが見られた。

Fig.8 都市近郊の公園石垣に生育するトキワトラノオ。(西宮市・公園の石垣 2010.8/6)
公園内の車の通らない車道脇の乾いた石垣に点在して生育するトキワトラノオ。
乾燥した環境下で裂片を裏側に巻いていた。石垣の間にはトラノオシダ、トウバナ、スズメノヤリ、メアオスゲ、ヒカゲスゲなどが生育する。

Fig.9 山麓の道水路の壁面に着生するトキワトラノオ。(兵庫県三田市・道水路壁面 2011.7/3)
低山の山麓に引かれた導水路のコンクリート壁面にトキワトラノオが点々と着生していた。
周辺はかなり多湿な環境でシダ類が多く、ヤブソテツ、イノデ、ナンゴクナライシダ、シケシダ、ハカタシダ、ヤワラシダ、オニカナワラビ、
クマワラビ、オクマワラビ、ヤマイタチシダなどが生育し、ヤマクルマバナ、アオイスミレ、トウゴクシソバタツナミ、キンミズヒキ、チダケサシ、
タチドコロ、ジャノヒゲなどの草本が見られた。


最終更新日:15th.Feb.2015

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