ヤブソテツ | Cyrtomium fortunei J.Sm. var. fortunei |
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低地〜山地・林床の植物 | オシダ科 ヤブソテツ属 |
Fig.1 (西宮市・まばらな樹林下 2012.12/16) 低地から山地の林床や林縁に普通に見られる常緑性のシダ。 根茎は短く斜上する。葉柄基部には長楕円状披針形、暗褐色の鱗片が多数つく。 葉は頂羽片のある羽状複葉で、長楕円状披針形、光沢のない硬い紙質、黄緑色〜緑色、長さ30〜90cm。 側羽片は鎌状広披針形で、ふつう幅2.7cm以下、基部はくさび形〜切形で耳片突起があり、辺縁は不規則な波状縁で、先には鋸歯がある。 側羽片はふつう15〜20対ときに20対を越えるものもある。最下羽片は耳状突起がないか不明瞭で、基部は丸味を帯びた切形または円形。 胞子嚢群は辺縁近くからつきはじめ、全面に分布。苞膜は円形、灰白色、縁は全縁。 【メモ】 ヤブソテツ属の区別は非常に悩ましいものがある。この個体は裂片の数と幅でヤブソテツと判断した。 近縁種 : テリハヤブソテツ、 ヤマヤブソテツ、 ホソバヤマヤブソテツ、 テリハヤマヤブソテツ、 ミヤコヤブソテツ ■分布:本州、四国、九州 ・ 中国 ■生育環境:低地〜山地の林床、林縁など。暖温帯〜暖帯。 |
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↑Fig.2 ヤブソテツの葉。(西宮市・丘陵のアカマツ林下 2009.12/4) 葉は斜上する根茎から束生し、粗大、羽状複葉で、羽片はふつう15〜20対、光沢はない。 |
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↑Fig.3 ヤブソテツのさく葉標本。(西宮市・丘陵のアカマツ林下 2009.12/4) 葉は長大であるため、2つに折り畳んでも新聞紙からはみ出してしまうことが多い。 |
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↑Fig.4 葉柄基部。(西宮市・丘陵のアカマツ林下 2009.12/4) 葉柄基部には長楕円状披針形、暗褐色の鱗片が多数つく。 |
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↑Fig.5 鱗片。(西宮市・丘陵のアカマツ林下 2009.12/4) 左から葉柄基部のもの、中軸下部のもの、中軸上部のもの。 基部の鱗片の幅がかなり広く感じられるが、変異の範疇か? |
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↑Fig.6 羽片裏面。(西宮市・丘陵のアカマツ林下 2009.12/4) 裂片の幅はヤマヤブソテツほど広くはない。ソーラス(胞子嚢群)は羽片裏面全体に分布する。 |
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↑Fig.7 最下羽片。(西宮市・丘陵のアカマツ林下 2009.12/4) 最下羽片の基部にはふつう耳状突起が発達しない。縁は波状縁で、先には鋸歯がある。 |
生育環境と生態 |
Fig.8 丘陵の林下斜面に成育するヤブソテツ。(西宮市・丘陵のアカマツ林下 2009.12/4) ヤブソテツは特段に環境を選ばない雑草的な性格を持つが、ここでは湿った林下に他のシダ類とともに成育していた。 同所的にホソバヤブソテツ、オオバノイノモトソウ、イノデが生育し、周辺にはムラサキケマン、ヤマネコノメソウ、タチツボスミレ、 ヤエムグラ、フユイチゴ、アケビ、スイカズラなどが生育している。 |