変異幅の広い種 1 −ヒシの果実の変異− |
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ヒシの果実は非常に変異が多い。近年の研究ではヒシがヒメビシとオニビシとの種間雑種を起源とする可能性も指摘されている。 だとすると、ヒメビシとオニビシの中間的な形質が様々に現われてもおかしくはないのかも知れない。 ヒシ属の中には、在来のものにあともう1つコオニビシというものがあり、果実は4刺性である。 いろいろとヒシの実を見ていると、どうもこれは怪しく、ヒシとの境界が曖昧である。 ここでは主に兵庫県下で得られた、2刺のヒシ、4刺あるヒシとともにコオニビシと呼称されるもの、あるいは4刺に加えて4つのコブ(擬角)のあるイボビシと呼称されるものの画像も、 片端から貼り付けていきたいと考えている。 ヒシはオニビシとヒメビシの雑種起源か? オニビシとヒメビシが4刺性に対して、典型的なヒシの果実は2刺性である。 |
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ヒシ果実画像集 |
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三田市波豆川 1 2刺 |
三田市波豆川 2 2刺 |
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三田市香下 1 2刺 |
三田市香下 2 2刺 |
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三田市布木 1 2刺 |
三田市布木 2 2刺 |
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神戸市北区道場町 a1 4刺(4刺に逆刺あり) コオニビシ型 |
神戸市北区道場町 a2 4刺(4刺に逆刺あり) コオニビシ型 |
神戸市北区道場町 a3 2刺 |
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神戸市北区道場町 b1 4刺(4刺に逆刺あり) コオニビシ型 |
神戸市北区道場町 b2 4刺(4刺に逆刺あり) 4コブ イボビシ型 |
神戸市北区道場町 b3 4刺(4刺に逆刺あり) 小型でヒメビシを思わせるがコオニビシ型 |
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宝塚市大原野 1 4刺 4コブ イボビシ型 |
宝塚市大原野 2 4刺 4コブ イボビシ型 |
宝塚市大原野 3 4刺 4コブ イボビシ型 |
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加西市山田町 a1 2刺 |
加西市山田町 a2 2刺 |
加西市山田町 a3 2刺 |
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加西市豊倉町 a1 4刺 |
加西市豊倉町 a2 2刺 |
加西市豊倉町 a3 2刺 |
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加西市豊倉町 b1 2刺 |
加西市豊倉町 b2 4刺 |
加西市豊倉町 b3 4刺 |
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加西市豊倉町 b4 2刺 |
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●浮葉植物 ヒシ
●浮葉植物 オニビシ |
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【参考文献】 角野康郎, 1994 ヒシ科ヒシ属. 『日本水草図鑑』 128〜131. 文一統合出版 大滝末男, 1980 ヒシ. 大滝末男・石戸忠 『日本水生植物図鑑』 58,59. 北隆館 中井三従美. 1988. 愛知県知多半島とその周辺のヒシ属の果実形態について. 水草研究会会報 31:1〜6. 荻沼一男・高野温子・角野康郎. 1996. 日本産ヒシ科数種の核形態. 植物分類・地理 47:47〜52. |