ウリカワ Sagittaria pygmaea  Miq. オモダカ科 オモダカ属
抽水植物
Fig.1 (西宮市・水田 2004.10/17)

水田や休耕田などに生育する抽水性の多年草。
葉は根生し、線形、まれに細いさじ形で、長さ4〜18cm、幅3〜10mmでやや厚味があり、全縁、鈍頭。
両面濃緑色で下部は白色、平滑、5条の平行脈が顕著。
花茎は高さ5〜20cm、雌雄異花で、下方には雌花がつき、上方には雄花がつく。
果実は集合果で、種子は扁平、長さ約5mm、とさか状の突起のある翼が発達。水に浮いて移動する。
秋に走出枝が伸び、地中に直径3〜6mmの塊茎をつくって越冬する。
近似種 : ヘラオモダカオモダカアギナシ

■分布:本州、四国、九州、沖縄 ・ 東アジアの温帯〜亜熱帯域に分布
■生育環境:水田や休耕田など。
■花期:7〜9月
■西宮市内での分布:市内では中〜北部の水田で見られ、北部では水田雑草としてごく普通に見られる。
              南部の平野部の水田ではほとんど見られない。

Fig.2 雄花。(西宮市・水田 2007.10/11)
  雄花には柄があり2〜6個輪生して花茎の上方につく。雄花は雌花が開花し終えてから咲き始める。
  花弁は倒卵形で3個つき、長さ約8〜10mm、白色。雄蕊は多数、葯は黄色。

Fig.3 雌花。(兵庫県篠山市・休耕田 2009.9/11)
  雌花は無柄で、花序の下方に1〜2個つく。萼片3個、花弁3個、心皮は多数で離生し、花柱は立つ。
  花の上に見えるのは花序の上部についた雄花のつぼみと花柄で、つぼみはまだ硬い。

Fig.4 果実。(西宮市・水田 2007.10/11)
  果実は集合果で、種子は痩果。痩果は平板状で、周囲にはとさか状に発達した翼がつく。

Fig.5 成長期のウリカワ。(西宮市・水田 2008.8/2)
  葉は混生し、線形または細長いさじ形で、濃い緑色。

西宮市内での生育環境と生態
 現在、画像はありません。

他地域での生育環境と生態
Fig.6 休耕田に生育するウリカワ。(兵庫県篠山市・休耕田 2009.9/11)
山際からの湧水と、すぐ隣り合わせて溜池があるので地下水位が高く、湛水状態にある休耕田である。
休耕田内にはサワトウガラシの群落が発達しており、画像の上下端には群生するサワトウガラシが写っている。
他にイヌノヒゲ、アゼトウガラシ、アブノメ、アゼナ、ヤノネグサ、イヌビエ、ハリイ、マツバイなどが混生する。
このような場所ではオモダカが出てきてもおかしくはないのだが、年数を経たような休耕田では何故かオモダカは見かけない。

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
角野康郎, 1994 オモダカ科オモダカ属. 『日本水草図鑑』 20〜23. 文一統合出版
大滝末男, 1980 オモダカ科. 大滝末男・石戸忠 『日本水生植物図鑑』 199〜209. 北隆館
山下貴司, 1982 オモダカ科. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編)『日本の野生植物 草本T 単子葉類』
       1〜2. 平凡社
北村四郎, 2004 オモダカ科. 北村四郎・村田源・小山鐡夫『原色日本植物図鑑 草本編(3) 単子葉類』 p.398〜401. pl.105. 保育社
浜島繁隆, 2001. オモダカ類. 浜島繁隆・土山ふみ・近藤繁生・益田芳樹 (編)『ため池の自然』 p.78〜80. 信山社サイテック
勝山輝男. 2001. オモダカ科オモダカ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 168〜169. 神奈川県立生命の星・地球博物館
小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. ウリカワ. 『六甲山地の植物誌』 213. (財)神戸市公園緑化協会
村田源. 2004. ウリカワ. 『近畿地方植物誌』 198. 大阪自然史センター

最終更新日:28th.Nov.2009

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