水田の畦、畑地など平地の農耕地周辺や公園、寺社、人家の庭先などの、湿った半日陰〜日陰に生育する小型の1年草。
春先に除草剤を使用するような水田、畑地に比べ、公園や寺社、人家の庭先などで多く見られる傾向があるようだ。
茎は分枝して地表を這い、長さ1〜6cm。全草無毛。
葉は長さ2〜4mm、幅1〜3mm、倒卵形〜広楕円形で鈍頭または円頭で、全縁、1mm前後の葉柄がある。
葉脈は3脈あるが、このうち中央脈は明瞭であるが、あとの2脈は不明瞭。
雄花は雄蕊1個からなり、雌花は雌蕊1個で、花柱は2個短く半曲する。両花ともに2個の膜質の苞に包まれる。
果実は心円形凹頭で軍配形、長さ0.6〜1mmで、無柄、縁には翼がある。
本種は沈水状態でも生育できるという。
その場合、沈水葉は線形となり、長さ5〜12mm、幅約1mm、中央脈が明瞭となる。
最近、定着しつつある外来種アメリカアワゴケ(C. terrestris)は日当たりの良い湿地や畑地、庭先に生育し、葉幅約1mmと小型で、
果時には果柄が0.5〜1mmに伸び、果実の稜は翼状にならない点で区別できる。
ミズハコベ(C. palustris)は湿地や水中に生育し、その陸生形では葉の長さ6〜12mmと大きく、沈水形では葉が線形となり先が凹む。
近似種 ： アメリカアワゴケ、 ミズハコベ
■分布：北海道、本州、四国、九州、種子島、沖縄 ・ 台湾
■生育環境：半日陰〜日陰の湿った場所。水田の畦、畑地、公園、寺社、人家の庭先。
■花期：4〜6月
■西宮市内での分布：市内全域にやや普通。
とても小さくて見落とすような雑草だ。
葉腋に見えるものが花だろうか？ 開花中なのか花後なのかはっきりしないが、おそらく上の葉腋に見えるものが開花した雌花で、
すぐ下の葉腋に見られるのが花後の雄花だろう。
画像最下の葉腋には未熟な果実が見える。下から2番目の節の葉腋には雌花があり、子房の先に2個の半曲する花柱が見える。
さらに上部の各節の葉腋からは、花柱だけが出掛かっている。
