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Fig.1 （兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
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Fig.2 （兵庫県丹波市・渓流畔 2011.5/7）
低山地や丘陵部の湿地、渓流畔、溜池畔などに生える多年草。
根茎は短く叢生し、葉は有花茎よりも低く、鮮緑色で柔らかく、幅2〜4mm。
花茎は高さ20〜50cm。小穂は1個頂生し、長さ1.5〜4cm、先端の雄花部は雌花部より短いか同長。
雌鱗片は淡緑色、鋭頭、果胞と同長か少し短い。
果胞は長さ5〜6mm、無毛で嘴は長く、口部は斜め切り形で脈があり、熟しても開出しない。
雌蕊柱頭は3岐する。
近似種 ： マツバスゲ、
ハリガネスゲ、
サトヤマハリスゲ
■分布：北海道、本州、九州、対馬
■生育環境：平地〜低山の水辺や湿地。
■果実期：5〜6月
■西宮市内での分布：市内では確認できていない。県内では中部以北に多く見られる。
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↑Fig.3 全草標本。（兵庫県丹波市・溜池畔 2010.5/13）
根茎は短く、叢生する。
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↑Fig.4 基部。（兵庫県丹波市・溜池畔 2010.5/13）
基部の鞘は下方が赤褐色、上部は淡色。
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↑Fig.5 葉は花茎よりも短く、柔らかい。（兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
茎の3稜は明瞭で、稜上には下向きの小刺が並び、ざらつく。
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↑Fig.6 花茎の拡大。（兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
画像向かって右が基部寄り。稜上には下向きの小刺が密に並んでいる。
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↑Fig.7 小穂は1個頂生する。（兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
上部は雄花部、下部は雌花部。雄花部には長さの変異が多いが、雌花部よりも長いか同長。
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↑Fig.8 画像のものは雄花部が短い。（兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
果胞は嘴が長く、熟しても開出しない。
雌鱗片は果胞と同長か短い。
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↑Fig.9 雌花部の一部を拡大。（兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
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↑Fig.10 雌鱗片（左）、果胞（中）、痩果（右）。（兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
雌鱗片は三角状卵形で鋭頭。果胞は無毛で有脈。痩果は倒卵形で3稜ある。
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Fig.11 湧水によってできた小湿地に生育するシラコスゲ。（兵庫県篠山市・小湿地 2008.5/8）
成立してから間もない湿地らしく、ミズゴケ類はなく、チョウチンゴケ類を少量ともなった湿地だった。
画像にはネコノメソウとドクダミが見えるが、他にはサンインクワガタ、ミゾホオズキ、アケボノソウ、オオバタネツケバナ、
サワギク、ミズタビラコ、オオバチドメ、ミヤマハコベなど山地渓流に生育する種が目立ち、
湿生植物ではイグサ、コウガイゼキショウが少量混じる程度だった。
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Fig.12 溜池畔に生育するシラコスゲ。（兵庫県丹波市・溜池畔 2009.6/18）
溜池畔にタチスゲ、イグサ、オオハリイ、ドクダミ、サワオトギリとともに生育している。左上に見える水溜りはシカのヌタ場となっている。
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Fig.13 溜池跡の湿地に生育するシラコスゲ。（兵庫県三田市・溜池跡湿地 2009.5/11）
管理放棄された溜池が、周辺からの土砂や腐植質の流入で埋没して湿地化した場所にシラコスゲの生育が見られた（右上倒木の脇）。
シラコスゲは湿地内に数十個体が生育する、同所的にオタルスゲ、クサスゲ、イグサ、ハイチゴザサ、ネコノメソウ、ミズタビラコ、ニシノヤマクワガタ、
アケボノソウ、ドクダミなどが生育し、湿生植物群落をつくっていた。
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Fig.14 渓流畔に生育するシラコスゲ。（兵庫県丹波市・渓流畔 2011.5/7）
小さな渓流畔の岩の間に根を下ろしたものが大株となっていた。
渓流畔ではミヤマシラスゲとミヤマジュズスゲも生育していた。
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【引用、および参考文献】（『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。）
大井次三郎, 1982. シラコスゲ. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 （編）
『日本の野生植物 草本1 単子葉類』 p.153. pl.130. 平凡社
小山鐡夫, 2004 シラコスゲ. 北村四郎・村田源・小山鐡夫 『原色日本植物図鑑 草本編（3） 単子葉類』 p.287. pl.71. 保育社
勝山輝男. 2001. スゲ属シラコスゲ節. 神奈川県植物誌調査会（編）『神奈川県植物誌 2001』 445〜446. 神奈川県立生命の星・地球博物館
勝山輝男, 2005. シラコスゲ. 『日本のスゲ』 31. 文一総合出版
谷城勝弘, 2007. シラコスゲ. 『カヤツリグサ科入門図鑑』 34. 全国農村教育協会
小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. シラコスゲ. 『六甲山地の植物誌』 247. （財）神戸市公園緑化協会
村田源. 2004. シラコスゲ. 『近畿地方植物誌』 160. 大阪自然史センター
星野義延・井関智裕. 1995. シラコスゲ群集−丘陵地谷底部の流水縁草本植物群落−. 植物地理・分類研究 43:53〜58
黒崎史平・松岡成久・高橋晃・高野温子・山本伸子・芳澤俊之 2009. マツバスゲ. 兵庫県産維管束植物11 カヤツリグサ科. 人と自然20:158.
兵庫県立・人と自然の博物館
最終更新日：6th.June 2013
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