タケトアゼナ Lindernia dubia  (L.) Pennell
  subsp. dubia  Pennell.
ゴマノハグサ科 アゼトウガラシ属
湿生植物・帰化植物
Fig.1 (西宮市山口町・休耕田 2007.8/19)

水田や畦、農耕地周辺の湿地に生える1年草。北アメリカ原産の帰化植物で、近年、よく見かけるようになった。
茎は分枝して斜上、または直立する。葉は対生して、基部は丸く茎を抱き、卵形で2〜3対の低い鋸歯があり、鈍頭。
花は葉腋につき、長い柄があり、長さは苞葉の1〜1.5倍長。花冠は2唇形で、下唇の基部には紫色の斑紋があることが多い。
雄蕊は4個あるが、うち2個は花糸のみで葯はない。

近似種のアゼナは葉縁が全縁、アメリカアゼナは葉の鋸歯の切れ込みが深く明瞭で、花柄が苞葉の0.5〜1倍長である点で区別する。
近似種 : アゼナ、 アメリカアゼナ、 アゼトウガラシ、 エダウチスズメノトウガラシ、 ヒロハスズメノトウガラシ

■分布:全国に帰化
■生育環境:水田とその周辺の湿地など。
■花期:8〜10月
■西宮市内での分布:市内に広く分布し、普通に見られる。

Fig.2 開花中のタケトアゼナ。(西宮市塩瀬町名塩・水田 2008.8/2)
  花冠は2唇形で、下唇の基部には紫色の斑紋が見られる。

Fig.3 葉は茎を抱く。(西宮市山口町・休耕田 2007.8/19)
  葉の基部は丸みを帯びるか、または急に狭まって茎を抱く。茎は4稜形。
  花柄は長く、苞葉の1〜1.5倍長。

Fig.4 タケトアゼナとアメリカアゼナ。(西宮市塩瀬町名塩・水田 2008.8/2)
  ちょうど比較に都合のよいように2種が隣り合わせで生育していた。
  タケトアゼナの花柄の長さが目立ち、葉身基部はアメリカアゼナのようにくさび形とならない様子がよくわかる。

西宮市内での生育環境と生態
Fig.5 水田中に生育するタケトアゼナ。(西宮市塩瀬町名塩・水田 2008.8/2)
水田中に同属のアゼナ、アメリカアゼナやトキンソウ、コナギ、イボクサなどとともに生育していた。。

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
山崎敬. 2001. ゴマノハグサ科アゼトウガラシ属. 清水建美(編)『日本の帰化植物』 pp.187. pls.91. 平凡社
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七. 2001. ヒメアメリカアゼナ,アメリカアゼナ,タケトアゼナ. 『日本帰化植物写真図鑑』 294〜295. 全国農村教育協会
城川四郎. 2001. アゼトウガラシ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 1262〜1266. 神奈川県立生命の星・地球博物館

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