オオアブラススキ Spodiopogon sibiricus  Trin.
  山地・林縁・草地の植物 イネ科 オオアブラススキ属
Fig.1 (兵庫県香美町・農道脇の林縁 2010.10/11)

Fig.2 (兵庫県姫路市・林道脇の草地 2013.9/24)

山地の日当たり良い林縁や草地に生育する多年草。
根茎は硬い鱗片葉を密につけ、茎は高さ100〜150cm。
葉は幅8〜15mm、長さ15〜40cm、中肋は裏面に膨出し、基部縁辺と表面にまばらに毛が生える。
葉舌は長さ1〜1.5mmで膜質、切形で縁は歯牙状または細裂して毛状。葉鞘は節間よりも長く、無毛、節はふくらむ。
円錐花序は直立し、長さ15〜30cm、中軸は長く、枝とともに平滑、総は長さ2〜3.5cm。
総には有柄と無柄の小穂が1個ずつ対になってつき、小穂は長さ5〜6mm。
各小穂は2小花からなり、下の小花は無性または雄性、上の小花は両性花。苞頴には7〜9個の明瞭な脈があり、脈間は有毛。

【メモ】 兵庫県下では西寄りに分布が偏り、南東部には少ない。
     過去に西宮市内の記録があるが、市内でまだ見たことはない。
近縁種 : アブラススキヒメアブラススキ

■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島・中国・シベリア
■生育環境:山地の日当たり良い林縁や草地など。
■花期:8〜10月


Fig.3 地上部標本。(兵庫県養父市・農道脇の林縁 2010.10/11)
  葉は一方向に向いてつき、中肋は白色で裏面に膨出する。

Fig.4 円錐花序。(兵庫県香美町・棚田の土手 2009.10/10)
  長さ15〜30cm、直立してほとんど下垂しない。中軸の各節から2〜5本の枝を出し、先に総をつける。

Fig.5 総の拡大。(兵庫県養父市・農道脇の林縁 2010.10/11)
  総には有柄と無柄の小穂が1対となり、数組が交互に並んで花序枝につく。

Fig.6 1対の無柄小穂と有柄小穂。(兵庫県養父市・農道脇の林縁 2010.10/11)

Fig.7 開花中の花序。(兵庫県姫路市・ハゲ山の林道脇 2013.9/24)

生育環境と生態
Fig.8 林縁の草地に生育するオオアブラススキ。(兵庫県養父市・林縁草地 2010.10/11)
兵庫県北部山間の棚田の林縁にある草地でススキ、ヨモギ、ヒメヨモギ、オトコヨモギ、ノコンギク、アキノウナギツカミなどとともに生育している。
兵庫県北部ではオオアブラススキは農道脇などに普通に見られる。


最終更新日:26th.July.2014

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