キジムシロ | Potentilla fragarioides L. var. major Maxim. | ||
里山・草地の植物 | バラ科 キジムシロ属 |
Fig.1 (兵庫県養父市・道路脇の崖地 2008.4/27) 平地〜山地の草地、道端、土手などに比較的普通な多年草。 根茎は太いがふくらみはなく、葉を根生し、匐枝は出さない。茎は高さ5〜30cm、全草に長い開出毛がある。 葉は羽状複葉で(3〜)5〜7(〜9)小葉からなる。小葉は楕円形で長さ1.5〜5cm、鈍頭、鋸歯縁。 托葉は披針形、やや膜質で、赤味を帯びる。花茎は多数の花をつける。 花は黄色、径15〜20mm。萼片は卵状披針形、副萼はやや小さい。花弁は広倒卵形、長さ6〜12mm。花床は有毛。 痩果は卵形、隆起する細かいしわがあり、花柱は短くてやや太い。 近縁種 : ツチグリ、 ミツバツチグリ、 テリハキンバイ、ツルキンバイ、ツルキジムシロ、イワキンバイ ■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国、シベリア ■生育環境:里山の草地、道端、土手や山地の林縁、道端など。 ■花期:4〜5月 |
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↑Fig.2 根生葉。(兵庫県たつの市・溜池土堤 2010.12/6) 根生葉は奇数羽状複葉。小葉は楕円形、鈍頭で、縁には鋸歯があり、光沢がある。 中軸には毛が生え、小葉の間に小片をつけることがあり、葉柄基部には1対の托葉がつく。 |
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↑Fig.3 小葉表面の一部拡大と小片。(兵庫県たつの市・溜池土堤 2010.12/6) 小葉の表面には寝た白軟毛がまばらに生える。小葉間の小片には1脈があり、鋸歯が出る。 |
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↑Fig.4 小葉裏面の一部拡大。(兵庫県たつの市・溜池土堤 2010.12/6) 脈上に寝た長毛と短毛が混じって生える。中央脈と側脈には長毛が多く生え、網状脈には短毛が多く生える。 |
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↑Fig.5 托葉。(兵庫県たつの市・溜池土堤 2010.12/6) 葉柄基部には1対の托葉がつき、托葉は披針形、やや膜質、1稜あり、赤味を帯び、縁と稜上に軟毛が生える。 |
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↑Fig.6 冬期のロゼット。(兵庫県たつの市・溜池土堤 2010.12/6) 斜面に張り付くように葉を広げる。よく似たツチグリの冬期ロゼットは葉が多少とも立ち上がり、こんもりとした感じとなる。 |
生育環境と生態 |
Fig.7 棚田の用水路脇の土手に生育するキジムシロ。(西宮市・棚田土手 2009.3/30) 日当たりのよい土手の草地斜面の水路脇近くに大きな株となって生育している。 この斜面には全体にキジムシロが点在しているが、水路脇のものは水分条件がよいためか、大きな株となっているものが多い。 斜面にはワレモコウ、ノアザミ、ウマノアシガタ、トボシガラ、ヒメヨツバムグラ、ムラサキサギゴケなどが生育する。 |