ミツバツチグリ Potentilla freyniana  Bornm.
  里山・草地の植物 バラ科 キジムシロ属
Fig.1 (西宮市・棚田の土手 2012.4/24)
Fig.2 (西宮市・用水路脇 2010.4/28)
平地〜丘陵部の草地、水田の畦、土手などに比較的普通な多年草。
根茎は太く、塊状にふくらむ部分があり、やや短い匍匐枝を出す。茎は高さ15〜30cm。
葉は3個の小葉からなり、小葉は長楕円形〜卵形で鈍頭、縁には鋸歯がある。
花は花茎に十数個つき、黄色、径10〜15mm。萼片は披針形、副萼はやや小さい。花弁は広倒卵形。花床は有毛。
痩果は褐色を帯びた白色、平滑で、少ししわがあり、花柱は太く短い。
近縁種 : キジムシロツチグリ、 テリハキンバイ、ツルキンバイ、ツルキジムシロ、イワキンバイ

■分布:本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国(北・東北)、ウスリー、アムール
■生育環境:里山の草地、水田の畦、土手など。
■花期:4〜5月

Fig.3 花序、副萼片と萼片。(西宮市・水田の畦 2010.4/26)
  花序は集散状で、計十数個の花をつける。
  副萼片は萼片より短く、狭披針形。萼片は披針形、ともに下部には粗毛が多い。

Fig.4 花の拡大。(西宮市・水田の畦 2010.4/26)
  花は黄色で径10〜15mm。花弁は広倒卵形、先端は凹形。

Fig.5 葉。(西宮市・水田の畦 2010.4/26)
  葉は3小葉からなる。小葉は長楕円形〜卵形で鈍頭、縁には鋸歯がある。
  画像の個体は早春の野焼きによって開花が遅れているもの。

Fig.6 早春に出芽したミツバツチグリ。(西宮市・棚田の土手 2010.4/5)
  野焼きの行われた棚田土手からの出芽。左上に見えるのは出芽したノダケ。

生育環境と生態
Fig.7 棚田の用水路脇の土手に生育するミツバツチグリ。(西宮市・棚田土手 2009.4/10)
  日当たりのよい土手の草地斜面に列をなして生育していた。土手のチガヤやトダシバは刈り取られ、ミツバツチグリにとって良い生育環境となっている。
  帯状に生育するミツバツチグリの間にはスミレが点在し、用水路脇ではヤマラッキョウが新芽を出し始めていた。

Fig.8 棚田の土手に生育するミツバツチグリ。(西宮市・棚田土手 2010.4/26)
  棚田の土手にスミレ、アオスゲなどとともに生育している。


最終更新日:28th.Apr.2010

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