キッコウハグマ | Ainsliaea apiculata Sch.Bip. | ||
里山・林縁の植物 | キク科 モミジハグマ属 |
Fig.1 (兵庫県加東市・林縁 2013.11/4) 丘陵〜山地の林縁や疎林内に生育する小型の多年草。 地下茎細く這い、茎は高さ10〜30cm、葉は茎の下部に5〜11個集まってやや輪生状につき、葉柄は葉身の2倍長。 葉身は心形、まれに腎形または卵形、長さ1〜3cm、5角形かまたは5浅裂し、両面に長い毛がある。 頭花は総状または複総状につく。花柄は1〜5mm。総苞は筒状、長さ10〜15mm。小花は3個、花冠は白色、長さ約9mm、筒部は長さ4.5mm。 痩果は長さ約4.5mm、密に毛が生える。冠毛は長さ7mmで、毛は羽毛状。花よりも閉鎖花をつけて結実することが多い。 変種リュウキュウハグマ(var. acerifolia)は葉がより深く切れ込み、頂裂片が長くなる。屋久島。 近縁種 : リュウキュウハグマ、 テイショウソウ、 オクモミジハグマ、 モミジハグマ ■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島 ■生育環境:丘陵〜山地の林縁や疎林内など。 ■花期:9〜10月 |
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↑Fig.2 葉。(兵庫県加東市・林縁 2013.11/22) 葉は茎の下部に5〜11個集まってやや輪生状につき、葉柄は葉身の約2倍長。 葉身は心形、まれに腎形または卵形、長さ1〜3cm、5角形かまたは5浅裂し、両面に長い毛がある。 |
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↑Fig.3 花序を上げた個体。(兵庫県三田市・疎水脇の林床 2012.11/16) 花茎は高さ10〜30cmになる。頭花は総状または複総状につく。 |
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↑Fig.4 花序の拡大。(兵庫県加東市・林縁 2013.11/4) 花柄は1〜5mm。総苞は筒状、長さ10〜15mm。花序軸には縮れた短毛が生えている。 |
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↑Fig.5 頭花。(兵庫県加東市・林縁 2013.11/4) 頭花は3個の小花からなり、花冠は白色で5裂し、長さ約9mm、筒部は長さ4.5mm。花冠裂片は線形で先が反り返る。 |
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↑Fig.6 閉鎖花をつけた花序。(兵庫県三田市・疎水脇の林床 2012.11/16) 開花するよりも閉鎖花を多数つけて結実することのほうが多い。 |
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↑Fig.7 結実期の個体。(兵庫県篠山市・林縁 2014.1/14) |
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↑Fig.8 痩果と冠毛。(兵庫県篠山市・林縁 2014.1/14) 痩果は長さ約4.5mm、密に毛が生える。冠毛は長さ7mmで、毛は羽毛状。 |
生育環境と生態 |
Fig.9 林縁に生育するキッコウハグマ。(兵庫県加東市・林縁 2013.11/4) 溜池土堤の草地と雑木林の境界林縁部にキッコウハグマが多数点在していた。 周辺にはナキリスゲ、ケタガネソウ、カワラスゲ、トダシバ、ススキ、矮小化したネザサ、メリケンカルカヤ、チゴザサ、オトギリソウ、 シハイスミレ、ナガバノタチツボスミレ、カナビキソウ、アリノトウグサ、コマツナギ、ワレモコウ、サルトリイバラ、ミツバアケビ、 オミナエシ、ツリガネニンジン、アキノタムラソウ、ノアザミ、ニガナ、シラヤマギク、アキノキリンソウ、セイタカアワダチソウなど 里山の雑木林の林縁草地に見られる種が生育していた。 |
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Fig.10 植林地の林縁に生育するキッコウハグマ。(兵庫県篠山市・林縁 2014.1/14) 植林地林縁に細流が流れ、その縁にキッコウハグマが点在していた。 地表はトヤマシノブゴケ、ツルチョウチンゴケ、クモノスゴケなどの蘚苔類に覆われ、(ホソバ)トウゲシバ、ミゾシダ、ゲジゲジシダ、 ナガバノタチツボスミレ、シハイスミレ、イヌツゲやスギの幼木、ツルアリドオシ、コナスビなど背丈の低い草本、木本が生え、 そのためか多数のキッコウハグマの幼苗が見られた。 |