ミズキンバイ Ludwigia peploides  (Kunth) Raven
 ssp. stipulacea  (Ohwi) Raven
アカバナ科チョウジタデ属
抽水植物  環境省絶滅危惧U類
Fig.1 (自宅植栽 2007.6/17)

湖沼、河川、水田、休耕田や用水路などに群生する抽水〜浮葉植物で多年生。
水際の埋め立て、河川改修、除草剤の使用などにより自生地は激減し、現在群生の見られる自生地は限られている。
地下茎があり、節から地上茎を出し、下部では地表や水中を這うように伸び、上部は斜上または直立して高さ60cm程度になる。
葉は互生し、気中葉は狭長楕円形または倒披針形で鈍頭、光沢があり、長さ3〜8cm、幅1〜3cm、葉柄は短く葉身との境は不明瞭。
浮葉は長さ0.5〜3.5cm、葉柄が明瞭で、葉身は楕円形〜倒卵形、光沢があり、長さ2〜5cm、幅1.5〜3.5cm、円頭またはやや凹形。
葉柄の基部の普通であればちょうど托葉のある部位に、濃緑色でやや突出した腺体がある。
ときに初夏の頃、地下茎や水中の茎の節から、水面にのびる白色で細胞間隙のよく発達した太く柔らかい呼吸根を出す。
花期になると、葉腋に鮮黄色の美しい花をつける。花柄の長さ1〜4cm、花は径2〜3cmで、花弁5個で凹頭。1日花で花弁は翌日には落ちる。
雄蕊8〜10個で2輪生し、葯は黄色。雌蕊1個で、花柱は太く、直立して、長さ約5mm。
果実は細長く、腺点があり、長さ1.5〜3cm、やや木質で先端には萼片が宿存する。

※このページのミズキンバイは湘南さんから頂いた株を育成したものです。湘南さんには深く御礼申し上げます。

参考 : オオバナミズキンバイヒレタゴボウチョウジタデ

■分布:本州、四国、九州、沖縄 ・ 中国。
■生育環境:湖沼、河川、水田、休耕田、用水路など。
■花期:6〜9月
■西宮市内での分布:市内には分布せず、近畿圏に自生地はない。

Fig.2 開花したミズキンバイ。(自宅植栽 2007.6/17)
  花は大型、鮮黄色で美しい。花弁は5個で先が凹頭となる。

Fig.3 葉と茎の様子。(自宅植栽 2007.8/18)
  葉は互生し、葉柄と葉身の境は不明瞭。托葉がつく部位にはやや突出した腺体がある。

Fig.4 葉。(自宅植栽 2008.7/9)
  葉には光沢があり、側脈は並行して走り明瞭。葉先は鈍頭。

Fig.5 腺体の拡大。(自宅植栽 2008.7/9)

Fig.6 ミズキンバイの浮葉。(自宅植栽 2007.3/2)
  浮葉は葉柄が明瞭で、楕円形〜倒卵形、先は円頭またはやや凹形。

Fig.7 呼吸根。(自宅植栽 2008.7/9)
  地下茎や水中茎の節から呼吸根を出すことがある。

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
清水建美, 1982. アカバナ科チョウジタデ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編)
       『日本の野生植物 草本2 離弁花類』 p.266〜267. pls.243. 平凡社
村田源, 2004 アカバナ科チョウジタデ属. 北村四郎・村田源 『原色日本植物図鑑 草本編(2) 離弁花類』 p.43〜44. pls.12. 保育社
牧野富太郎, 1961 ミズキンバイ. 前川文夫・原寛・津山尚(補遺・編) 『牧野 新日本植物図鑑』 425. 北隆館
角野康郎, 1994. アカバナ科チョウジタデ属. 『日本水草図鑑』 p.132. pls.134. 文一統合出版
大滝末男, 1980. ミズキンバイ. 大滝末男・石戸忠 『日本水生植物図鑑』 56,57. 北隆館
村上司郎. 2001. アカバナ科チョウジタデ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 1037〜1040. 神奈川県立生命の星・地球博物館

最終更新日:30th.Sep.2009

<<<戻る TOPページ