アイフジシダ | Monachosorum maximowiczii × M. flagellare | ||
山地・林床・岩上のシダ・雑種 | コバノイシカグマ科 オオフジシダ属 |
Fig.1 (兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) フジシダ(M. maximowiczii)と オオフジシダ(M. flagellare)の推定種間雑種で、両種の中間的な形質を持ち常緑性。 葉身は2回〜単羽状複生、披針形、フジシダと同じような大きさのものが多く、先端は長く伸びて芽生する。 羽片は30対前後あり、広披針形から狭長楕円形、羽状に中〜全裂し、鈍頭、無柄または短柄があり、基部前側の裂片(小羽片)は大きくなる。 胞子嚢群(ソーラス)は小さく、円形。胞子は不稔で胞子嚢は空洞となる。 近縁種 : フジシダ、 オオフジシダ、 ヒメムカゴシダ ■分布:本州、四国、九州 ■生育環境:フジシダとオオフジシダの混生地。 |
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↑Fig.2 全草標本。(兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) 葉身は2回〜単羽状複生、披針形、フジシダと同じような大きさのものが多く、先端は長く伸びて芽生する。 |
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↑Fig.3 下方の羽片。(兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) 下方の羽片は深〜全裂し、オオフジシダのように長い披針形とはならず、広披針形から狭長楕円形。 |
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↑Fig.4 下面。(兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) 最下の小羽片は上先につき、ほかのものよりも大きくなる。 この個体はまだ小型個体なため、ソーラスが未発達である。 |
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↑Fig.5 ソーラス。(兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) 胞子不稔なため、胞子嚢は空洞となり、弾けない。 |
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↑Fig.6 両親種との比較。(兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) 左からオオフジシダ、アイフジシダ、フジシダ。フジシダとは明らかに異なるが、オオフジシダとやや似ている。 オオフジシダとの大きな違いは最下羽片は短く、長3角状とならない点。 |
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↑Fig.7 3種の羽片。(兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) 上からオオフジシダ、アイフジシダ、フジシダ。 |
生育環境と生態 |
Fig.8 谷筋にある岩上に生育するアイフジシダ。(兵庫県篠山市・谷筋の岩上 2015.3/22) チャートの巨大な岩塊が谷筋に露出し、フジシダとオオフジシダが混生し、その中にアイフジシダが見られた。 岩塊はフジシダ、オオフジシダ、シシランに広く覆われており、渓流に面した場所ではカタヒバ、ホソバコケシノブ、ヒメハイホラゴケ、イノデ、 ヤマヤブソテツ.、オオキジノオ、ミヤマカンスゲ、ナキリスゲ、ジャゴケ、ミドリゼニゴケ、トサカホウオウゴケ、オオカサゴケなどが生育していた。 |