キヨスミヒメワラビ Ctenitis maximowicziana  (Miq.) Ching
  里山・山地・林床・林縁のシダ オシダ科 カツモウイノデ属
Fig.1 (兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.2/25)

丘陵〜山地の日陰のやや湿った林床に生育する常緑性シダ。
根茎は斜上し、塊状で、葉を叢生し、鱗片がある。葉柄は長さ20〜50cm、鱗片を密生する。
葉柄基部の鱗片は開出し、卵形、鋭尖頭、長さ1〜1.3cm、幅約0.3cm、薄く、若いうちは白色半透明、後に褐色を帯びる。
葉身は広卵状長楕円形、鋭頭〜鋭尖頭、基部は円形、長さ35〜55cm、幅25〜35cm、3回羽状中裂〜深裂、中軸の鱗片は広披針形〜線形、全縁。
羽片は10〜15対、中軸にほとんど直角につき、長楕円状線形、短い柄がある。
小羽片は羽軸にほぼ直角につき、線状長楕円形、鈍頭、短い柄があり、羽状に中〜深裂する。
裂片は線状長楕円形、ほとんど全縁か、微鋸歯縁、表面軸上に関節のある毛がでる。
ソーラスは裂片の辺縁近くに付き、円形、包膜は円腎形で辺縁は不斉。胞子表面にはやや大型で長楕円形の隆起がある。
近似種 : 以下の近似種は全て夏緑性シダである。キヨスミヒメワラビは鱗片に特徴があるので、同定は容易である。
ミドリヒメワラビイワヒメワラビヒメワラビ

■分布:本州(関東地方以西)、四国、九州 ・ 中国、台湾
■生育環境:丘陵〜山地の日陰のやや湿った林床など。

Fig.2 地上部標本。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.2/21)
  葉身は広卵状長楕円形、鋭頭〜鋭尖頭、3回羽状中裂〜深裂。葉質は草質で柔らかく、黄緑色〜淡緑色。
  羽片は10〜15対、中軸にほとんど直角につき、長楕円状線形、短い柄がある。

Fig.3 葉柄基部の鱗片。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.2/21)
  葉柄基部の鱗片は開出し、卵形、鋭尖頭、長さ1〜1.3cm、幅約0.3cm、薄く、若いうちは白色半透明、後に褐色を帯びる。
  画像のものは厳冬期に採集したもので、かなり褐色を帯びており、基部付近は白色半透明になっている。

Fig.4 中軸の鱗片。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.2/21)
  中軸の鱗片は広披針形〜線形、全縁。先端から褐色を帯びていくようだ。

Fig.5 小羽片。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.2/21)
  小羽片は羽軸にほぼ直角につき、線状長楕円形、鈍頭、短い柄があり、羽状に中〜深裂する。
  裂片は線状長楕円形、ほとんど全縁か、微鋸歯縁、表面軸上に関節のある毛がでる。

Fig.6 ソーラス。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.2/21)
  ソーラスは裂片の辺縁近くに付き、円形、包膜は円腎形で辺縁は不斉。
  画像の葉はソーラスが未発達であったため、ソーラスが辺縁についているかどうか解り辛い。後日画像差し替え予定。

生育環境と生態
Fig.7 植林地の林床に生育するキヨスミヒメワラビ。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.2/21)
湿ったスギの植林地林床でヒサカキ、アオキ、ネズミモチ、ナンテン、マンリョウなどの幼木がまばらに生育し、ジャノヒゲ、ツルアリドオシ、
ミヤマフユイチゴ、ツルリンドウ、ショウジョウバカマなどの草本類もまばらに生育していた。
シダ類ではベニシダ、トウゴクシダ、イノデ、ヤブソテツ、リョウメンシダ、ジュウモンジシダ、オクマワラビ、フモトシダ、シシガシラ、トウゲシバ、
オオハナワラビが多く見られ、キヨスミヒメワラビはオニカナワラビ、タニイヌワラビ、マルバベニシダなどとともに数個体が点在していた。


最終更新日:18th.Mar.2013

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