クルマバナ | Clinopodium chinense (Benth.) O.Kuntze subsp. grandiflorum (Maxim.) Hara var. parviflorum (Kudo) Hara |
||
里山・草地の植物 | シソ科 トウバナ属 |
Fig.1 (滋賀県・休耕田の畦 2008.9/8) |
||
Fig.2 (神戸市・素掘り水路脇 2013.7/28) 低地〜低山の里山の日当たり良い湿った草地に生育する多年草。 茎は4稜あり、高さ20〜80cm、まばらに下向きの毛が生える。 葉は卵形〜狭卵形、長さ2〜4cm、幅1〜2.5cm、鋭頭鈍端、鋸歯があり、基部は円く、5〜15mmの葉柄がある。 小苞は線形で長さ5〜8mm、開出する長毛がある。萼は長さ6〜8mm、紅紫色を帯びることが多く、開出毛がある。 花冠は長さ6〜10mmで淡紅色〜紅紫色。分果は平滑で長さ約1mm。 近縁種 : ヤマクルマバナ、 アオミヤマトウバナ、ミヤマトウバナ、イヌトウバナ、 トウバナ、 ヤマトウバナ ■分布:南千島、北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島 ■生育環境:里山の湿った日当たり良い草地など。 ■花期:8〜9月 |
||
↑Fig.3 茎。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 茎には4稜があり、下向きの毛が生え、多くは赤紫色を帯びる。 画像は茎の上部で、稜上には長い毛が生え、面上には短い伏毛が生えている。 |
||
↑Fig.4 茎の分枝部。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 茎には葉が対生してつき、葉腋から分枝し、分枝部の節はやや肥厚する。 茎の毛は分枝直下では多く、分枝部上部では少ない。 |
||
↑Fig.5 葉。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 葉には柄があり、葉身は卵形〜狭卵形、鋭頭鈍端で鋸歯があり、基部は円い。 葉縁には毛が生え、葉面には短毛がまばらに見られた。 |
||
↑Fig.6 葉表の拡大。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 葉縁には毛が生え、葉面には曲がった短毛がまばらに見られた。鋸歯の先端は赤紫色の点となっている。 |
||
↑Fig.7 葉裏の拡大。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 裏面は脈上に曲がった毛が見られた。 |
||
↑Fig.8 花穂。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 数段にわたって対生する葉の葉腋に集散花序をつける。花序は2つの集散花序が集まるため輪生状に見える(輪散花序)。 |
||
↑Fig.9 萼と苞葉。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 萼筒は5中裂して、唇状となり、上側3つの裂片は短く3角状鈍端、縁には微短毛が生える。下側2個の裂片は長く披針形で鋭尖頭、縁には刺状毛が生える。 萼筒内側には刺状毛が1列環状に生える。萼筒外面は脈上に多少毛のあるものもあったが、ほとんど無毛平滑だった。苞葉は線形で、縁に刺状毛がある。 |
||
↑Fig.10 花冠。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 花は唇形花で淡紅色、上唇は小さく、下唇は大きく、3裂し、外面には微短毛が生え、内側には赤い斑点がある。 下唇中央裂片の基部から花筒の奥に向かって2個の隆条があり、白色の毛が生える。 雄蕊は4個、うち2個は長い。雌蕊は雄蕊よりやや長く、花冠の上唇からわずかに出て、先は2岐する。 |
生育環境と生態 |
Fig.11 里山の用水路脇に生育するクルマバナ。(兵庫県篠山市・用水路脇 2010.7/31) 盆地に広がる水田の用水路脇に生育しているもの。 チガヤ、カモジグサ主体の草地にノアズキ、ネコハギ、アオツヅラフジ、ヨモギ、ノコンギクなどとともに生育している。 |
||
Fig.12 農道脇に群生するクルマバナ。(兵庫県丹波市・農道脇 2010.9/27) 小河川堤防上を通る農道脇の草地に群生している。 ゲンノショウコ、イヌタデ、ヨモギ、シロツメクサ、ヤハズソウ、キツネノマゴ、トウバナ、カタバミ、オオニシキソウ、スギナ、ヤマノイモ、 ボタンヅル、ヘクソカズラ、アケビ、スイカズラ、アカネ、マスクサ、ヒメクグ、チガヤ、コブナグサ、エノコログサとともに生育。 |