ヤマトウバナ | Clinopodium multicaule (Maxim.) O.Kuntze | ||
里山・林縁の植物 | シソ科 トウバナ属 |
Fig.1 (兵庫県三田市・雑木林の林床 2010.6/20) 低山〜山地の林縁や林床などに生育する多年草。 茎は束生し、高さ10〜30cm。葉は卵形〜長卵形、長さ2〜5cm、幅1〜2cm、まばらに毛があり、やや鋭頭または鈍頭、 粗い鋸歯があり、5〜10mmの葉柄がある。 花序は短く、ふつう茎頂に1個つき、萼は長さ約6mm、花冠は白色で、長さ8〜9mm。分果は長さ約1mm。 近縁種 : トウバナ、 イヌトウバナ、 クルマバナ、 ヤマクルマバナ ■分布:本州(中部地方以西)、四国、九州 ■生育環境:低山〜山地の林縁や林床など。 ■花期:6〜7月 |
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↑Fig.2 葉。(兵庫県三田市・雑木林の林床 2010.6/20) 葉は有柄、卵形〜長卵形、葉柄、葉面ともにまばらに毛があり、やや鋭頭または鈍頭、粗い鋸歯がある。 |
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↑Fig.3 花序。(兵庫県三田市・雑木林の林床 2010.6/20) 花序は茎頂にふつう単性し、花はややまばらに10花前後つく。 |
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↑Fig.4 花。(西宮市・渓流畔 2007.5/28) 萼裂片には開出〜やや斜上する短毛があり、上側3つの萼裂片は鈍頭。 花冠は唇形で白色、長さ8〜9mm、下唇はよく発達し、3中裂する。筒部の内側には淡紅色の班があり、下唇基部には短い突起状のものが見える。 雄蕊は4個あるようで、奥の2個の葯は淡紅色を帯びて先が巻いており、手前の2個の葯は白色で前方に突き出し、雌蕊の柱頭にくっ付かんばかりである。 |
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Fig.5 春の成長期のヤマトウバナ。(西宮市・渓流畔 2008.4/6) |
生育環境と生態 |
Fig.6 山腹に設けられた疎水の脇に生育するヤマトウバナ。(西宮市・渓流畔 2013.6/10) 北向きの山腹の半日陰の疎水脇にヤマトウバナが点在していた。 やや多湿な環境でシダ類が多く、画像に見えるミゾシダ、リョウメンシダ、ゼンマイのほか、ベニシダ、イノデ、タニイヌワラビ、フモトシダ、 ゲジゲジシダが生育し、草本ではアリマイトスゲ、ナキリスゲ、コチヂミザサ、ナガバノタチツボスミレ、アリマウマノスズクサ、スイカズラ、 トウゴクシソバタツナミ、アカショウマ、ツルアリドオシなどが見られた。 |