ノキシノブ Lepisorus thunbergianus  (Kaulf.) Ching
  里山・着生シダ ウラボシ科 ノキシノブ属
Fig.1 (兵庫県丹波市・護岸の石垣 2011.2/8)
岩上、石垣、樹皮上、屋根などに着生する普通な常緑性シダ。
根茎はやや太く、径2〜3mm、横にはい、しばしば分枝し、黒褐色〜暗褐色で狭披針形の鱗片を密生する。
鱗片は長さ2〜4mm、縁は透明、不規則な突起がある。葉は接近して根茎上に並んで生じ、一見すると束生しているように見える。
葉柄は短く、葉身は狭線形〜広線形で、長さ10〜30cm、幅5〜10mm、全縁、先はしだいに細くなり鋭尖頭、基部はしだいに狭くなり、葉柄へと続く。
葉は革質で、表面は深緑色、小さな孔が点在し、裏面は淡緑色で、中脈はいちじるしく隆起し、支脈は葉肉中に埋もれて見えない。
胞子嚢群は葉の上半部につき、円形、中脈と縁の間に1列ずつ並び、黄褐色。
若い胞子嚢群は、楯状鱗片に覆われ、楯状鱗片はほぼ円形、中央の細胞は褐色でやや不透明、径0.3〜0.5mm。

ヒメノキシノブL. onoei)は葉をまばらにつけ線形、鈍頭、葉柄はごく短く、胞子嚢群は葉先に数個つく。根茎の鱗片は2〜3mm。
ミヤマノキシノブL. ussuriensis var. distans)は葉がまばらに生じ紙質。根茎の鱗片は黒褐色で透明、長さ0.5〜0.8mm、早落性。
葉柄は明瞭で、黒褐色、長さ2〜4cm。
近縁種 : ヒメノキシノブミヤマノキシノブビロードシダ

■分布:北海道(江差)、本州、四国、九州、沖縄 ・ 朝鮮半島、台湾、中国、フィリピン、インド
■生育環境:平地から山地の岩上、石垣、樹皮上、屋根など。

Fig.2 全草標本。(兵庫県丹波市・護岸の石垣 2011.2/8)
  根茎はやや太く、葉は接近して根茎上に並んで生じ、一見すると束生しているように見える。
  葉柄は短く、葉身は狭線形〜広線形で、全縁、先はしだいに細くなり鋭尖頭、基部はしだいに狭くなり、葉柄へと続く。

Fig.3 根茎と葉柄。(兵庫県丹波市・護岸の石垣 2011.2/8)
  黒褐色〜暗褐色で狭披針形の鱗片を密生する。鱗片は長さ2〜4mm、縁は透明、不規則な突起がある。
  葉柄は短く、茶褐色を帯びる。

Fig.4 葉身上部。(兵庫県丹波市・護岸の石垣 2011.2/8)
  葉は革質で、全縁、表面は深緑色、小さな孔が点在し、葉先はしだいに狭くなり鋭尖頭。

Fig.5 葉身上部裏面。(兵庫県丹波市・護岸の石垣 2011.2/8)
  葉の裏面は淡緑色で、中脈はいちじるしく隆起する。胞子嚢群は上半部に多数つく。

Fig.6 胞子嚢群。(兵庫県丹波市・護岸の石垣 2011.2/8)
  胞子嚢群は中脈と縁の間について大きく、ほぼ円形、成熟すると中脈と縁の間いっぱいに広がる。

生育環境と生態
Fig.7 コナラの大木の根元付近に着生するノキシノブ。(西宮市・雑木林 2010.5/27)
少し湿度の高い林中の樹幹に着生していることが多い。

Fig.8 棚田の石垣に着生するノキシノブ。(西宮市・棚田 2011.2/25)
棚田は春〜夏にかけて比較的湿度が高くなるためか、棚田の法面に石垣が組まれていると必ず現われる種である。
ここではテイカカズラや蘚苔・地衣類とともにかなり大きな株が着生していた。


最終更新日:11th.Mar.2011

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