シラスゲ | Carex doniana Spreng. | ||
里山・林縁の植物 | カヤツリグサ科 スゲ属 ヒメシラスゲ節 |
Fig.1 (西宮市・林縁 2010.6/11) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・林縁 2013.5/22) 丘陵〜山地のやや湿った林縁や明るい樹林下に生育する多年草。 やや叢生し、匐枝を出す。基部の鞘は淡色。 葉は幅5〜10mm。細乳頭状突起を密布して粉白色、特に下面がいちじるしい。 有花茎は高さ50〜70cm。小穂はほとんど柄がなく、苞の葉身は発達し、無鞘。 頂小穂は雄性、長さ3〜6cm。側小穂は3〜5個は雌性、長さ3〜6cm、先は垂れ下がる。 鱗片は緑白色、鋭頭芒端、果胞とほぼ同長。果胞は長さ3.5〜4mm、無毛、嘴は長い。 花柱は宿存し、柱頭は3岐する。 【メモ】 似たものに側小穂の垂れないアイノコシラスゲがあるが、シラスゲとの関係は明らかでない。 今後は中間的な形質を持つものが出てこないか注意しておきたい。 近縁種 : アイノコシラスゲ、 ヒメシラスゲ、 エナシヒゴクサ ■分布:北海道、本州、四国、九州、対馬、南西諸島、伊豆諸島 ・ 東アジア、マレーシア、ヒマラヤ ■生育環境:丘陵〜山地の湿った林縁など。 ■果実期:5〜6月 |
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↑Fig.3 全草標本。(西宮市・林縁 2010.6/11) 葉は緑色で粉白色を帯び、有花茎より長い。基部から匐枝を出し、まばらに群生する。有花茎の苞葉はよく発達し、無鞘。 |
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↑Fig.4 基部。(西宮市・林縁 2010.6/11) 基部の鞘は淡色。右に出ているのは匐枝。 |
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↑Fig.5 葉裏(上)とその拡大(下)。(西宮市・林縁 2010.6/11) 葉は粉白色を帯びるが、特に葉裏ではいちじるしい。拡大すると微小な乳頭状突起が密に並んでいる。 |
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↑Fig.6 花序。(西宮市・林縁 2010.6/11) 頂小穂は雄性、線形。側小穂は雌性、長さ3〜6cmの円柱状で、先は垂れる。 |
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↑Fig.7 雌小穂の拡大。(西宮市・林縁 2010.6/11) |
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↑Fig.8 雌鱗片と果胞。(西宮市・林縁 2010.6/11) 雌鱗片と果胞はほぼ同長。果胞は3.5〜4mm。 |
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↑Fig.9 痩果。(西宮市・林縁 2010.6/11) 痩果は倒卵形、長さ約1.8mm。 |
生育環境と生態 |
Fig.10 林道脇の小低木下に群生するシラスゲ。(西宮市・林縁 2010.6/11) 日当たりの良い林道に雑木林からウツギが張り出して日陰をつくっており、その下にヤブマオなどの高茎草本とともに生育している。 地面は湿っており、ドクダミ、イチゴツナギ、チヂミザサ、ヤブマメ、ヨモギなどが同所的に生育していた。 |
Fig.11 社寺林の林縁部に群生するシラスゲ。(兵庫県篠山市・林縁 2013.5/22) かなり大木となっているスギの植林地の適湿の林床に小規模な群生が見られた。 同所的にエナシヒゴクサ、マスクサ、ジュズスゲ、ナキリスゲ、ヤエムグラ、イタドリ、ミズヒキ、ミヤマフユイチゴ、クサイチゴ、ドクダミ、 イノコヅチ、セリバオウレン、オオタチツボスミレ、アオイスミレ、ミヤマカタバミ、ツルニガクサ、オカタツナミソウ、カキドオシ、ホウチャクソウ、 ヤブラン、ジャノヒゲ、シャガ、ヤブカンゾウ、ムロウテンナンショウ、トボシガラ、ベニシダ、トウゴクシダ、イワガネソウ、リョウメンシダ、 ヤマイヌワラビ、ヒロハイヌワラビ、ホソバイヌワラビ、イワヒメワラビ、シケシダなどが生育していた。 |