スミレ Viola mandshurica  W.Becker
  道ばた・草地の植物 スミレ科 スミレ属
Fig.1 (西宮市・人家の庭先 2010.4/21)

Fig.2 (兵庫県篠山市・棚田の土手 2011.5/6)

低地や丘陵などに普通に見られる多年草。
ふつう無毛または葉柄や花柄に毛がある。根茎は短く、少数の太く長い黄赤褐色の根をおろす。
葉身は3角状狭卵形、長楕円状披針形またはへら形で、鈍頭、長さ3〜8cm、低い鋸歯があり、基部は切形または柄に細まり、やや厚く、
表面は深緑色で、やや光沢がある。
柄はしばしば紅色を帯び、長さ3〜15cm、上方に翼がある。果期の葉は狭3角形で、基部のやや心形であるものが多い。
花柄は長さ5〜20cm。花は大型で濃紅紫色。萼片は披針形。花弁は長さ12〜17mm、側弁には毛があり、距は長さ5〜7mm。
近縁種 : シロスミレ、 アリアケスミレヒメスミレノジスミレ

■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国、ウスリー
■生育環境:低地や丘陵から山地の道ばた、草地など。庭先にも現われる。
■花期:3〜6月

Fig.3 スミレの花。(西宮市・人家の庭先 2010.4/21)
  花は大型で、開花期にはスミレであることがすぐにわかるほど。色はふつう濃紅紫色。
  側弁には毛があるが、毛のないものもありワカシュウスミレ(f. glabripetala)とされる。

Fig.4 横から見た花。(西宮市・人家の庭先 2010.4/21)
  距はふつう細長いが変異が多い。花柄はふつう無毛だが、有毛のものもある。

Fig.5 葉。(西宮市・人家の庭先 2010.4/21)
  葉は斜上し、へら形(3角状狭卵形、長楕円状披針形)。葉柄の上部には翼がある。

生育環境と生態
Fig.6 農地に生育するスミレ。(西宮市・農道脇の土手 2015.4/21)
比較的2次的自然度の高い農地の農道脇の土手に他のスミレ類とともに生育していた。左下方にはアリアケスミレが見える。
土手にはチガヤ、背丈の低いネザサ、アオウシノケグサ、スズメノカタビラ、カモジグサ、スズメノヒエ、ツユクサ、ミミナグサ、オランダミミナグサ、
オオヌノフグリ、カキドオシ、オニタビラコ、カンサイタンポポ、他のスミレ類はアリアケスミレ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレが見られ、
タチツボスミレとニオイタチツボスミレの自然交雑種であるマルバタチツボスミレが見られた。

Fig.7 アスファルトの隙間に生育するスミレ。(西宮市・道端 2010.4/24)
種子に付属するエライオソーム目当てにアリが運ぶためか、このようなアスファルトやコンクリートの隙間で生育していることも多い。

Fig.8 水田の畦に生育するスミレ。(西宮市・水田の畦 2010.4/26)
里山の水田の畦に多数生育している。休耕田内のやや表土が乾いた部分にも散在していた。


最終更新日:22nd.June.2015

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