トウダイグサ | Euphorbia helioscopia L. | ||
里山・草地の植物 | トウダイグサ科 トウダイグサ属 |
Fig.1 (兵庫県三田市・農耕地の草地 2011.4/13) 里山の農耕地周辺の草地に生育する越年草。 草丈30cm前後、茎は1本立ち、あるいは基部から分枝して束生する。ふつう無毛だが、ときに軟毛が密にはえるものがある。 葉は互生し、へら形または倒卵形、茎の中部〜下部につく葉はややまばらで小さく、茎頂にはより大きな5個の葉を散形に輪生する。 茎頂に輪生した葉の中央には1個の杯状花序がつく。杯状花序には5個の腺体を持つ。 葉はすべて縁に細鋸歯があり、茎の中部のものは長さ3〜4cm、幅7〜8mm。 頂生の散形に出る葉は、茎葉より広く、その葉腋から5本の散形枝を広げ、各枝は杯状花序を頂生し、2〜3叉分枝を繰り返す。 この杯状花序には4個の腺体をつける。 子房は外面にこぶがなく、刮ハになっても平滑で、種子の表面には明瞭な網目模様がある。 近縁種 : ノウルシ、 ナツトウダイ、 タカトウダイ ■分布:本州、四国、九州、沖縄 ・ 北半球の温帯〜暖帯 ■生育環境:里山の農耕地周辺の草地など。 ■花期:4〜6月 |
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↑Fig.2 基部。(兵庫県三田市・農耕地の草地 2011.4/13) 基部で分枝し、茎を束生する個体。分枝せず1本立ちとなる個体もある。 |
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↑Fig.3 茎葉。(兵庫県三田市・農耕地の草地 2011.4/13) 葉は互生し、へら形または倒卵形、茎の中部〜下部につく葉はややまばらで小さく、茎頂にはより大きな5個の葉を散形に輪生する。 |
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↑Fig.4 杯状花序。(兵庫県三田市・農耕地の草地 2011.4/13) 杯状花序は数回にわたって分枝する。最初は茎頂に散状に輪生する葉の葉腋から5個の杯状花序がでる。 画像のものは続いて3岐し、さらに1〜3岐してそれぞれの先に杯状花序をつくっている。 中心にある1個の花は不稔であるという。 |
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↑Fig.5 杯状花序のつくり。(兵庫県三田市・農耕地の草地 2011.4/13) 一見複雑に見えるが、縁が腺体となった総苞に、雄蕊と小苞(画像では見えない)、そこから柄を出して伸びる雌花からなる。 4個見える腺体は蜜を分泌して光っている。子房は球状で平滑。 |
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↑Fig.6 開花初期の花。(兵庫県三木市・溜池土堤 2007.3/16) 中央の不稔の花が開花しているが、雄蕊は見えるが雌花は見えない。この中央の花のみ、腺体が5個つく。 周囲の5個の杯状花序は3岐した花柱が開いており、雌性期である。トウダイグサ属では雌性先熟である。 |
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↑Fig.7 結実期。(兵庫県三田市・畑地の畦 2011.7/3) 花は春から長きにわたって開花するが、初夏の頃から結実が見られるようになる。 刮ハは広倒卵形で、熟すと直立して淡褐色となり、表面は平滑、円い3稜があり、中の種子が熟すと稜上が割れて刮ハは3裂する。 |
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↑Fig.8 開花前の春先の草体。(兵庫県三田市・畑地の畦 2013.3/5) 越冬した茎は強く赤味を帯びる一方、先端の葉が開きつつある。基部には新茎の芽が生じている。 |
生育環境と生態 |
Fig.9 畑地の脇の草地に生育するトウダイグサ。(兵庫県三田市・農耕地の草地 2011.4/13) トウダイグサは農耕地の道端草地や溜池土堤で見られることが多く、ここでは畑地の草地に生育していた。 同所的にオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ヤハズエンドウ、スズメノエンドウ、ホトケノザ、ノジスミレといった畦畔植物が見られる。 |