アオカワモズク | Batrachospermum helminthosum Bory | カワモズク科 カワモズク属 |
淡水藻類 環境省準絶滅危惧・兵庫県RDB Bランク種 |
Fig.1 (兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・水路 2015.3/24) 平地の湧泉、湧水の流入する水路の石や壁などの基物に着生する。 雌雄異株、同株。藻体は緑色または青緑色、粘質でヌルヌルする。 よく分枝し、太さ0.3〜0.8mm、長さ6〜11cm。 輪生枝叢はくっつきあい、樽形。輪生枝は7〜12本。 果胞子体は中軸につき、ほぼ球形、径102〜420μ。 造性器は球形、輪生枝の先端に1〜2個ずつ形成される。 受精毛は円柱形からわずかに棍棒形。晩秋から早春の時期に見られる。 近似種 : カワモズク、 ニホンカワモズク、 チャイロカワモズク、 タニガワカワモズク、 ツマグロカワモズクなど ■分布:日本各地 ・ ヨーロッパ、東アジア、インド、北米、南米 ■生育環境:平地の湧泉、湧水の流入する河川や水路など。 ■西宮市内での分布:西宮市内では未見である。 |
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↑Fig.3 雌株の藻体。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) 藻体は緑色または青緑色、よく分枝し、太さ0.3〜0.8mm、長さ6〜11cm。 | ||
↑Fig.4 藻体枝先付近の拡大。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) 枝先の細まり加減や分枝の状態は、カワモズクよりもチャイロカワモズクに似ている。 |
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↑Fig.5 藻体の拡大。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) 輪生枝叢はくっつきあい、樽形。時期的に早かったのか、果胞子体がほとんど見られなかった。 |
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↑Fig.6 輪生枝叢の拡大。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) |
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↑Fig.7 成熟途上の果胞子体。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) 果胞子体は中軸につき、ほぼ球形、径102〜420μ。 |
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↑Fig.8 若い輪生枝叢。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) 若い輪生枝叢は扁平で、矢印部分に受精毛が見られる。受精毛は円柱形からわずかに棍棒形。 |
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↑Fig.9 雄株の輪生枝。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) 輪生枝の先には造性器が1〜2個ずつ形成される。 |
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↑Fig.10 端毛がある。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) |
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↑Fig.11 輪生枝の新芽。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) |
生育環境と生態 |
Fig.12 用水路に生育するアオカワモズク。(兵庫県三田市・用水路 2014.3/20) 溜池直下の湧水の混じる用水路底面のコンクリートに付着しており、チャイロカワモズクと混生していた。 |
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Fig.13 盆地の用水路に生育するアオカワモズク。(京都府中丹地方・用水路 2013.3/19) 盆地に広がる田園地帯の用水路の底面にチャイロカワモズクとともに生育している。 随分立派な群生地だったが、2013年秋に洪水に遭った地域であり、今年は恐らくほとんど見られないだろう。 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 廣瀬弘幸・山岸高旺, 1997. カワモヅク科. 『日本淡水藻類図鑑』 159〜175. 内田老鶴圃 兵庫県, 2010 1 植物(3)藻類@淡水藻類. 『兵庫の貴重な自然 兵庫県版レッドデータブック2010(植物・植物群落)』 170〜175. (財)ひょうご環境創造協会 |