アメリカキカシグサ | Rotala ramosior (L.) Koehne | ミソハギ科 キカシグサ属 |
湿生植物 ・ 外来種 |
Fig.1 (京都府亀岡市・刈り取り後の水田 2013.10/8) 北アメリカ南部〜熱帯アメリカ原産の湿地や水田に生える1年草。関西地方では最近になって見かけるようになった。 全草ほぼ無毛。茎は直立し、高さ10〜40cm、断面はやや丸みのある四角形で、斜上する枝を出す。 葉は十字対生し、線形〜線状楕円形で、全縁、基部は細くなって無柄で、長さ1〜5cm、鈍頭〜円頭。 花は4数性で、葉腋に単生し、無柄。萼は筒状で上部は4片に分かれ、同じ大きさの三角形の付属物と互生する。 萼筒の基部に2枚の苞葉がある。花弁は小さく、白色または淡紅色で早落する。刮ハは球形〜壺形、上部まで筒部に包まれる。 キカシグサ(R. indica var. uliginosa)は高さ約20cm。葉は倒卵形で長さ5〜10mm、光沢があり、鈍頭。 ミズキカシグサ(R. littorea)は多くの枝を分け、葉柄がなく、葉は披針形で鋭頭、葉身の長さ6〜25mm、幅2〜5mm。 枝につく葉は急に小さくなる。萼筒は杯状で長さ約6mm。花弁は倒披針形で萼裂片と同長。稀。 ヒメキカシグサ(R. elatinomorpha)は本州中南部と四国に分布する稀産種。茎は地表を這い、枝は直立して高さ4〜7cm。 葉は倒卵状楕円形で円頭、葉柄はなく、長さ3〜10mm、幅1.5〜4mm。萼筒は短い円筒形で、4稜がある。花弁は倒卵状長楕円形で、萼裂片より短い。 近似種 : キカシグサ、 ヒメキカシグサ、 ミズキカシグサ、 ヒメミソハギ、 ホソバヒメミソハギ、 ナンゴクヒメミソハギ ■分布:関東〜近畿地方 ■生育環境:水田、休耕田、湿地など。 ■花期:8〜10月 ■西宮市内での分布:市内での定着は確認されていないが、いずれ侵入してくるだろう。 |
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↑Fig.2 茎と葉。(京都府亀岡市・刈り取り後の水田 2013.10/8) 茎は直立し、高さ10〜40cm、断面はやや丸みのある四角形で、斜上する枝を出す。 葉は十字対生し、線形〜線状楕円形で、全縁、基部は細くなって無柄で、長さ1〜5cm、鈍頭〜円頭。 |
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↑Fig.3 萼筒など。(京都府亀岡市・刈り取り後の水田 2013.10/8) 萼筒の基部に2枚の苞葉があり、上部は4片に分かれ、同じ大きさの三角形の付属物と互生する。 |
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↑Fig.4 開花した花。(京都府亀岡市・刈り取り後の水田 2013.10/8) 花は4数性で、葉腋に単生し、無柄。花弁は小さく、白色または淡紅色で早落する。 花は大きさなどがホソバヒメミソハギに多少似るが、色は薄く、花弁の幅が広い。 |
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↑Fig.5 種子。(京都府亀岡市・刈り取り後の水田 2013.10/8) 種子は卵状半球形、長さ0.3〜0.4mmで、淡褐色。 |
生育環境と生態 |
Fig.6 刈り取り後の水田に群生するアメリカキカシグサ。(京都府亀岡市・刈り取り後の水田 2013.10/8) 盆地平坦部に広がる水田地帯に広く生育しており、同じく外来種であるホソバヒメミソハギを駆逐する勢いで増えている。 アメリカキカシグサの小さな個体では、一見するとヒメミソハギの小型個体と大変紛らわしい。 この水田内では多くの部分で群生しており、他にホソバヒメミソハギ、イボクサ、エダウチスズメノトウガラシ、オモダカが少量見られる程度だった。 皿池に面した湛水部分も混じる水田では発生量はやや少なく、ヒメミズワラビ、ミズマツバ、アブノメなどもわずかながら見られた。 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 村上司郎. 2001. ミソハギ科キカシグサ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 1031〜1032. 神奈川県立生命の星・地球博物館 近田文弘. 2003. ミソハギ科キカシグサ属. 清水建美(編)『日本の帰化植物』 Pl.63. P.143. 平凡社 植村修二ほか. 2010. アメリカキカシグサ. 『日本帰化植物写真図鑑 2』 156. 全国農村教育協会 最終更新日:27th.Feb.2014 |