イヌタデ | Persicaria longiseta (De Bruyn) Kitag. | タデ科 イヌタデ属 |
湿生植物 |
Fig.1 (西宮市・庭先 2007.6/9) |
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Fig.2 (兵庫県加古川市・水田の畦 2011.10/29) 田畑周辺、道端、庭先などいたるところで普通に見られる1年草。 茎の下部は地表を這い、節から発根し、よく分枝し、上部は斜上〜直立して高さ20〜50cm。 葉は広披針形、鋭頭、基部はくさび形、両面にまばらに毛が生え、質は薄い。 葉柄はきわめて短く、托葉鞘は筒状で長さ7〜8mm、おおむね同長の縁毛が生える。 花は密に穂状につき、花序の長さ2〜4cm。花被は紅色で長さ2mm。 果実は3稜形、黒色で光沢があり長さ2mm。 近似種 : サナエタデ、 ハルタデ、 オオイヌタデ、 アオヒメタデ ■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国、台湾、マレーシア ■生育環境:田畑周辺、道端、庭先などいたるところ。 ■花期:6〜10月 ■西宮市内での分布:市内全域で普通。 |
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↑Fig.3 イヌタデの花序。(西宮市・庭先 2007.6/9) 穂状花序で花が密につく。 アカマンマの俗名でよく知られる。 |
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↑Fig.4 托葉鞘。(西宮市・庭先 2007.6/9) イヌタデの托葉鞘(たくようしょう)。円筒形で膜質、口部は切形。 筒部には数脈あり、脈上には上向きの粗い伏せ毛が生える。 脈は口部から突出して長い剛毛となり、長さは筒部よりも少し長かったり、少し短かったりするが、概ね筒部と同長。 |
西宮市内での生育環境と生態 |
Fig.5 棚田の水路脇斜面で生育するイヌタデ。(西宮市・棚田の水路 2006.10/26) 里山で生育するものは大株となり花序も多くよく目立つ。 |
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Fig.6 旧畑作地に群生するイヌタデ。(西宮市・棚田の旧畑地 2008.10/24) イヌタデやオオイヌタデは旧畑地や休耕田を埋めるほど群生することも多い。 ここでは、アオビユ、スギナ、イヌガラシ、アキノノゲシ、カンサイタンポポなどを伴って生育している。 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 北川政夫, 1982. タデ科イヌタデ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編) 『日本の野生植物 草本2 離弁花類』 p.19〜24. pls.16〜22. 平凡社 北村四郎, 2004 タデ科タデ属. 北村四郎・村田源『原色日本植物図鑑 草本編(U) 離弁花類』 p.299〜316. pl.65. 保育社 牧野富太郎, 1961 イヌタデ. 前川文夫・原寛・津山尚(補遺・編) 『牧野 新日本植物図鑑』 115. 北隆館 長田武正・長田喜美子, 1984 タデ科. 『野草図鑑 8 はこべの巻』 154〜160. 保育社 林辰雄. 2001. タデ科イヌタデ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 600〜616. 神奈川県立生命の星・地球博物館 小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. イヌタデ. 『六甲山地の植物誌』 110. (財)神戸市公園緑化協会 村田源. 2004. イヌタデ. 『近畿地方植物誌』 118. 大阪自然史センター 黒崎史平・高野温子・土屋和三 2001. イヌタデ. 兵庫県産維管束植物3 タデ科. 人と自然12:108. 兵庫県立・人と自然の博物館 最終更新日:8th.Dec.2011 |