ハリマスミレ(雑種) Viola betonicifolia var. albescens x V. mandshurica
  道ばた・草地の植物 スミレ科 スミレ属
Fig.1 (兵庫県小野市・丘陵地の空き地 2015.4/12)

Fig.2 (兵庫県小野市・丘陵地の空き地 2015.4/12)

スミレとアリアケスミレの自然交雑種。低地や丘陵などの両種の混生地に見られる。
葉身は長楕円状披針形で、鈍頭〜円頭、やや光沢がある。
花は大型で淡紅紫色で、花弁には紫条が目立つ。
ハリマスミレの名は三木順一氏が兵庫県で発見したことによる。

近縁種 : スミレアリアケスミレヒメスミレノジスミレ

■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国
■生育環境:低地や丘陵の道ばた、やや湿った草地など。
■花期:3〜5月

Fig.3 全草標本。(京都府福知山市・溜池土堤 2015.4/24)
  雑種強勢のためか草体は大きくなる。根は褐色を帯び、太かった。

Fig.4 葉。(兵庫県小野市・丘陵地の空き地 2015.4/12)
  葉身は長楕円状披針形で、鈍頭〜円頭、やや光沢がある。

Fig.5 花。(兵庫県小野市・丘陵地の空き地 2015.4/12)
  花は大型で淡紅紫色で、花弁には紫条が目立つ。側弁や唇弁はスミレの影響を受けて幅広く、側弁は大きく開く。
  距はスミレよりも多少丸味を帯びている。

Fig.6 花の横断面。側弁は有毛。(兵庫県小野市・丘陵地の空き地 2015.4/12)

Fig.7 花粉。(兵庫県小野市・丘陵地の空き地 2015.4/12)
  花粉は不斉だが、中には捻性のありそうなものも見える。結実するかどうか継続観察が必要なようだ。

生育環境と生態
Fig.8 湿った空き地に生育するハリマスミレ。(兵庫県小野市・丘陵地の空き地 2015.4/12)
空き地はスミレの群生地となっており、その中にアリアケスミレ(画像左端の白い花)が点在している。
ハリマスミレは両親種よりも大きくてよく目立ち、ひと目見て分かるほどだった。
空き地には他にスギナ、ニワゼキショウsp.、クサイ、ヤハズエンドウ、ミヤコグサ、ブタナ、ヨモギなどが生育していた。


最終更新日:11th.June.2015

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