ニシキゴロモ
 (シロバナニシキゴロモを含む)
Ajuga yezoensis  Maxim.
  里山・林床・林縁の植物 シソ科 キランソウ属
Fig.1 (兵庫県篠山市・林縁 2011.5/6)

Fig.2 (兵庫県篠山市・疎林の林床 2013.4/25)

丘陵〜山地の林床や林縁に生育する多年草。
茎は数本株をつくって立ち上がり、高さ8〜15cm、基部の2〜3対の葉は鱗片状となる。
葉は数対あり、長楕円形〜広卵形で長さ2〜6cm、幅1〜3cm、1〜3cmの葉柄があり、ときに裏面が紫色を帯びる。
花は2〜6個ずつ葉腋につき、淡紫色で、長さ10〜11mmの筒部があり、下唇は大きく、3裂する。
上唇はやや長く、直立して2裂し、長さ2.5〜3mm。

【メモ】 品種に白花品のシロバナニシキゴロモ(f. albiflora)がある。Fig.9 参照。
     変種にツクバキンモンソウ(var. tsukubana)があり、花冠上唇が1mmと短く、主に太平洋側に生育する。
     キランソウとの間には雑種キランニシキゴロモA. × bastarda)をつくる。
近縁種 : ツクバキンモンソウキランソウオウギカズラジュウニヒトエ

■分布:北海道、本州、九州の日本海側。
■生育環境:丘陵〜山地の林床や林縁など。
■花期:4〜5月

Fig.3 葉。(兵庫県篠山市・林縁 2011.5/6)
  葉は数対あり、長楕円形〜広卵形、1〜3cmの葉柄がある。キランソウほど毛深くはない。

Fig.4 葉裏。(兵庫県篠山市・渓流畔 2015.5/8)
  葉裏は紫色を帯び、腺点を散布し、脈上にまばらに上向きに曲がった毛がある。

Fig.5 開花。(兵庫県篠山市・林縁 2011.5/6)
  花は2〜6個ずつ葉腋につき、淡紫色。


Fig.6,7 花。(兵庫県篠山市・疎林の林床 2013.4/25)
  長さ10〜11mmの筒部があり、下唇は大きく、3裂する。
  上唇はやや長く、直立して2裂し、長さ2.5〜3mm。

Fig.8 果実形成期。(兵庫県篠山市・渓流畔 2015.5/8)
  枯れた花冠は宿存していて、ふくらみつつある分果が宿存した花冠を裂いていた。

Fig.9 品種とされる白花品のシロバナニシキゴロモ(f. albiflora)。(兵庫県養父市・林縁草地 2014.5/30)
  兵庫県内では北部で比較的よく見られる。

生育環境と生態
Fig.10 渓流畔の林縁に生育するニシキゴロモ。(兵庫県篠山市・林縁 2013.4/25)
シカの食害の見られる地域で、高茎草本は食害に遭い、丈の低い草本が残っている。
ニシキゴロモも大きな株は見られず、小さな個体がコナスビ、ニョイスミレ、アオイスミレ、ミミナグサ、ノミノフスマ、ニシノホンモンジスゲ、
ドクダミ、ヤマネコノメソウなどとともに生育している。。


最終更新日:27th.June.2015

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