センダイスゲ | Carex sendaica Ohwi | ||
沿海・低山・疎林の植物 兵庫県RDB Bランク種 |
カヤツリグサ科 スゲ属 ナキリスゲ節 |
Fig.1 (兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 沿海地から低山の疎林内に生育する多年草。分布域は広いがやや稀。 ゆるく叢生し、細長い匍匐根茎がある。基部の鞘は葉身があり、濃褐色、繊維状に細裂する。 有花茎は高さ10〜35cm、平滑〜ややざらつく。葉は有花茎より短く濃緑色、幅1.5〜3.5mm、硬質でざらつく。苞の葉身は葉状、有鞘。 小穂は1節に1〜2個つき、有柄、雄雌性、頂部に少数の雄花をつけ、狭柱形、長さ0.7〜1.5cm、雌花は5〜10列つく。 雄鱗片は褐色、鋭頭。雌鱗片は褐色、鋭頭。果胞は雌鱗片よりも長く、広卵形、長さ2.8〜3.5mm、稜間に太い脈があり、短毛がある。 嘴は短く、口部は2歯。痩果は密に果胞に包まれ、広卵形、長さ1.5〜2mm。柱頭は2岐する。 品種にセンダイスゲモドキ(f. simplex)があり、根茎は太くて短く径1〜2cm、有花茎に小穂を7〜8個つけナキリスゲに似る。 【メモ】 本種は小型のナキリスゲに似るが、匍匐根茎で面的に広がったまばらな小群落をつくることで区別できる。 近縁種 : ナキリスゲ、 コゴメスゲ、 オオナキリスゲ、 フサナキリスゲ、 キシュウナキリスゲ ■分布:本州(岩手県以南)、四国、九州、沖縄 ・ 台湾、中国南部、東南アジア ■生育環境:沿海地から低山の疎林内など。 ■果実期:9〜11月 |
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↑Fig.2 全草標本。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) ゆるく叢生し、細長い匍匐根茎がある。有花茎は高さ10〜35cm。葉は有花茎より短く濃緑色。 |
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↑Fig.3 基部と匍匐根茎。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 基部の鞘は葉身があり、濃褐色、繊維状に細裂する。 |
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↑Fig.4 葉。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 上は葉表、下は葉裏。葉は濃緑色、幅1.5〜3.5mm、硬質でざらつく。 |
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↑Fig.5 葉表や葉縁に上向きの小刺がある。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) |
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↑Fig.6 有花茎。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 小穂は比較的上部に集まってつき、1節に1〜2個つき、有柄。 |
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↑Fig.7 苞と小穂。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 苞は葉状で、有鞘。小穂は雄雌性、頂部に少数の雄花をつけ、狭柱形、長さ0.7〜1.5cm、雌花は5〜10列つく。 |
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↑Fig.8 雌鱗片と果胞。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 雌鱗片は褐色、鋭頭。果胞は雌鱗片よりも長く、広卵形、長さ2.8〜3.5mm、稜間に太い脈があり、短毛がある。 嘴は短く、口部は2歯。 |
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↑Fig.9 痩果。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 痩果は密に果胞に包まれ、広卵形、長さ1.5〜2mm。 |
生育環境と生態 |
Fig.10 疎林に生育するセンダイスゲ。(兵庫県播磨地方・疎林 2015.10/8) 公園状の適度に手入れされたクヌギ、カシ、ヤマモモなどの疎林に小群落が点在していた。 ナキリスゲが株立ちするのに対して、センダイスゲは匍匐根茎で広がり、小型で面的にまばらな小群落をつくることで区別できる。 |