オニカナワラビ Arachniodes simplicior  (Makino) Ohwi
 var. major  (Tagawa) Ohwi
  里山・低山・林床・崖地のシダ オシダ科 カナワラビ属
Fig.1 (兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)
里山や低山の林床や、崖地や石垣などに生育する常緑性シダ。ハカタシダの変種。
葉柄は淡緑色〜淡いわら色、褐色で線状披針形の鱗片をやや密につける。
葉身は2回羽状複生し、卵状長楕円形で、濃緑色、革質で光沢があり、側羽片は多く、4〜6対、上部に向かってしだいに狭くなり、
頂羽片はハカタシダのようにはっきりとしない。
小羽片は表面に白い斑が出ることはなく、切れ込みは浅く、最下羽片の下側第1小羽片が最も長くなる。
胞子嚢群(ソーラス)は小羽片の中肋と辺縁の中間につく。
近縁種 : ハカタシダオオカナワラビコバノカナワラビホソバカナワラビミヤコカナワラビ、 ミドリカナワラビ

■分布:本州(新潟県、関東地方以西)、四国、九州
■生育環境:里山や低山の林床や、崖地や石垣など。

Fig.2 葉柄基部の鱗片。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)
  葉柄は淡緑色〜淡いわら色。鱗片は根茎部には濃褐色のものが、葉柄基部には褐色ものがつき、ともに線状披針形。

Fig.3 葉身。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)
  葉身は2回羽状複生し、卵状長楕円形で、濃緑色、革質で光沢があり、側羽片は多く、4〜6対。
  上部に向かってしだいに狭くなり、ハカタシダのようなはっきりとした頂羽片にはならない。

Fig.4 最下羽片。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)
  最下羽片の下側第1小羽片は最も長くなり、切れ込みも深くなる。

Fig.5 小羽片。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)
  小羽片の切れ込みは浅く、鋸歯は鋭い刺になるが、短い。

Fig.6 小羽片裏面。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)
  胞子嚢群(ソーラス)は小羽片の中肋と辺縁の中間につく。

Fig.7 苞膜はほぼ全縁。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)

生育環境と生態
Fig.8 やや明るい植林地の林床に生育するオニカナワラビ。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19)
ヒノキ植林地と雑木林の境界付近の明るい林床にオニカナワラビが生育していた。
林床にはごくまばらにネザサが生え、ヤワラシダ、ベニシダ、ヤブソテツ、ホソバシケシダ、リョウメンシダ、イワヒメワラビ、ナンゴクナライシダ、
イノデ、サカゲイノデ、ミヤマフユイチゴ、クサイチゴ、チヂミザサ、オオタチツボスミレ、アオイスミレなどが生育していた。


最終更新日:30th.Jul.2011

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