ハカタシダ Arachniodes simplicior  (Makino) Ohwi.
  山地・林床・林縁のシダ オシダ科 カナワラビ属
Fig.1 (西宮市・林縁 2010.6/11)

Fig.2 (神戸市・社寺境内 2014.12/11)

丘陵〜山地のやや乾いた林床や林縁に生育する常緑性シダ。
根茎は短くはう。葉柄基部には茶褐色の披針形〜線状披針形の鱗片を密生する。
葉は2回羽状腹葉、濃緑色、光沢があり、硬い紙質、頂羽片は長く明瞭で、側羽片は3〜5対。羽片の間は間隔が空く。
羽片の幅は狭く、狭披針形〜披針形。裂片は長楕円形、鋸歯の先は刺状となり、脈は明瞭。最下羽片の基部下側につく裂片は長い。
胞子嚢群(ソーラス)は裂片の中脈と縁との中間〜やや中脈寄りにつく。苞膜は円腎形で、ほぼ全縁またはわずかに波状縁。
近縁種 : オニカナワラビオオカナワラビコバノカナワラビホソバカナワラビミヤコカナワラビ、 ミドリカナワラビ

■分布:本州(宮城県以南)、四国、九州 ・ 中国
■生育環境:丘陵〜山地のやや乾いた林床や林縁など。

Fig.3 地上部標本。(西宮市・林縁 2010.6/11)
  葉柄基部には褐色の鱗片を密生。葉は2回羽状腹葉、濃緑色、光沢があり、硬い紙質、頂羽片は長く明瞭、側羽片は3〜5対。
  羽片の幅は狭く、間は隙間が空く。

Fig.4 葉柄基部の鱗片。(西宮市・林縁 2010.6/11)
  葉柄基部には茶褐色の披針形〜線状披針形の鱗片を密生する。

Fig.5 裂片裏面。(西宮市・林縁 2010.6/11)
  胞子嚢群(ソーラス)は裂片の中脈と縁との中間〜やや中脈寄りにつく。
  画像のものは胞子嚢が脱落した後で、苞膜は乾燥のため縮んでおり、縁の部分が内側に反っており、適切な例ではない。

生育環境と生態
Fig.6 林縁の湿った土崖に生育するハカタシダ。(西宮市・林縁崖地 2011.7/16)
湿った日陰の崖地にオクマワラビ、ヤマイタチシダ、ヤブソテツ、ベニシダとともに生育している。

Fig.7 社寺境内の湿った崖に生育するハカタシダ。(神戸市・社寺境内 2014.12/11)
湿った日陰の神戸層群の崖地にヤブソテツ、マメヅタなどとともに生育している。


最終更新日:24th.Feb.2017

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