シコクスミレ Viola shikokiana  Makino
  山地・林床の植物 兵庫県RDB Aランク種 スミレ科 スミレ属
Fig.1 (兵庫県播磨地方・温帯林沢筋の林床斜面 2017.5/5)

山地のブナ帯の林下に生育する多年草。
地下茎は匐枝状で細く、長く横に伸びて群生し、節間は長く、葉は少数つき、葉身は卵円形または広卵心形。
葉先は急に短く尖り、長さ2〜4cm、基部は深い心形、低い波状の鋸歯があり、表面は明るい緑色。葉柄は長さ4〜15cm。
葉の裏面脈上にやや粗い毛を散生し、表面にも少し毛のあることもある。
花はやや葉に先立って咲き、花柄は高さ5〜10cm。花は白色、径約1.5cm。萼片は披針形、付属体は切れ込む。花弁は幅が狭く長さ9〜15mm。
側弁は無毛または有毛、唇弁は他の弁より短く、紫条がある。距は短く、長さ2〜3mm。

近縁種 : サンインスミレサイシンアケボノスミレサクラスミレコスミレマルバスミレ

■分布:本州(埼玉県以西)、四国、九州
■生育環境:主に太平洋岸の山地のブナ帯の林床や林縁など。
■花期:4〜5月

Fig.2 根茎。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋の林床斜面 2018.6/25)
  地下茎は匐枝状で細く、長く横に伸びて、節間は長いが、スミレサイシンのように節は肥厚しない。

Fig.3 開花時の葉。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋のガレ場 2017.5/5)
  葉は花よりやや遅れて展開することが多く、根茎に少数つき、葉身は卵円形または広卵心形。
  葉先は急に短く尖り、長さ2〜4cm、基部は深い心形、低い波状の鋸歯があり、表面は明るい緑色。葉柄は長さ4〜15cm。
  葉の裏面脈上にやや粗い毛を散生し、表面にも少し毛のあることもある。開花時の葉面は脈上が凹む。

Fig.4 花は展葉よりもやや先立って咲くことが多く、花柄は高さ5〜10cm。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋のガレ場 2017.5/5)

Fig.5 開花。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋の林縁斜面 2017.5/6)
  群生する規模の割りには、花数が少ないことも多い。

Fig.6 花。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋のガレ場 2017.5/5)
  花は白色、径約1.5cm。花弁は幅が狭く長さ9〜15mm。側弁は無毛または有毛、唇弁は他の弁より短く、はっきりとした紫条がある。

Fig.7 側面から見た花。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋のガレ場 2017.5/5)
  花柄は無毛。萼片は広披針形で、付属体は切れ込む。距は太くて短く、長さ2〜3mm。

Fig.8 刮ハ。(兵庫県播磨地方・温帯林の沢筋 2014.6/8)
  刮ハは楕円形で、紫褐色を帯びる。

Fig.9 未熟な閉鎖花の刮ハ。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋のガレ場 2018.6/25)
  花後は閉鎖花をつけるが、開花期の花と同様、あまり数は多くない。

Fig.10 花後の葉。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋のガレ場 2018.6/25)
  スミレサイシンに酷似してくるが、葉面は明るい緑色で、スミレサイシンほど大きくはならない。

生育環境と生態
Fig.11 温帯林沢筋の林縁斜面に生育するシコクスミレ。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋の林縁床斜面 2017.5/6)
シオジ、トチ、カツラ、ハウチワカエデなどが生育する温帯林の裸地気味の林縁斜面やガレ場に、10数か所の小群落が点在しているが、いずれも花数は少ない。
裸地的環境であるため同所的に生育する種は少なく、ミヤマカタバミ、マルバコンロンソウ、サワハコベ、タニギキョウが見られる程度である。

Fig.12 温帯林沢筋の多湿な斜面に生育するシコクスミレ。(兵庫県播磨地方・温帯林沢筋の斜面 2017.5/5)
ここでは湧水がしみ出しているような多湿で日陰の斜面にも小群落が見られた。
やはりあまり被植の多い場所ではなく、ジュウモンジシダやイワガラミ、ミヤマカンスゲ、オクノカンスゲなどの切れ目に点在している。
同所的に生育する草本はFig.11よりも少し増えて、先述の草本の他にヌカボシソウ、ヤマミズ、ユリワサビ、キンシベボタンネコノメ、ヤマルリソウ
などが見られた。


最終更新日:8th.July.2018

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