ヒメタデsp. Persicaria erecto-minor  (Makino) Nakai form. viridiflora  I.Ito (?) タデ科 イヌタデ属
湿生植物  環境省絶滅危惧U類(VU)

Fig.1 (栃木県・湿地 2010.9/4)
画像のものは渡良瀬遊水地産で、当初は「ヌカボタデ」だろうとして頂いたものであったが、兵庫県産のヌカボタデ、サイコクヌカボ、ヤナギヌカボを再検討したところ、
ヌカボタデではなく、どちらかというとアオヒメタデに近いヒメタデsp.とすべきとの見方が適当と思えるようになった。
生育環境によるものかもしれないが兵庫県産アオヒメタデに比べ、花序には花被がまばらにつき、葉は披針形となっており、別種のもののようにも見える。
標本の再検討が必要だが、転居後標本が片付いておらず、検討はもうしばらく後のことになりそうだ。

「謝辞」 今回の貴重な標本は湘南さんからご提供頂きました。湘南さんにはお礼申し上げます。
近似種 : アオヒメタデ(兵庫県産)サイコクヌカボヤナギヌカボヌカボタデイヌタデボントクタデヤナギタデ

■分布:本州(渡良瀬遊水地)
■生育環境:撹乱を受ける水湿地(?)など。
■果実期:9〜11月(?)
■西宮市内での分布:市内では見られない。

Fig.2 葉。(栃木県・湿地 2010.9/4)
  葉は長披針形、長さ2〜6cm。ほとんど無柄。葉は乾燥標本となっても緑色を保つ。

Fig.3 葉表(左)と葉裏(右)。(栃木県・湿地 2010.9/4)
  表面には伏せ毛が散生し、裏面には脈上に伏毛が見られた。葉縁には上向きの細毛が並ぶ。両面とも腺点はない。

Fig.4 托葉鞘。(栃木県・湿地 2010.9/4)
  托葉鞘は数脈ある膜質筒状、長さ2〜6mm。筒部表面には伏毛がまばらにある。脈は口部から突出して縁毛となり、その長さは筒部と同長または短い。
  基部付近にはあまり伏毛が見られなかった。

Fig.5 花序。(栃木県・湿地 2010.9/4)
  花序は茎上部で分枝した枝先につき、葉腋から出るものは小数である。花序には明瞭な長い柄があり、花序の長さは1〜3cmと短い。
  兵庫県産のアオヒメタデに比べて花被がまばらで、花穂もほっそりとしている。

Fig.6 花序の拡大。(栃木県・湿地 2010.9/4)
  花序にはややまばらに花がついている。花被は白色、長さ約1.5mmで、表面に腺点はない。

Fig.7 痩果。(栃木県・湿地 2010.9/4)
  痩果は卵円形、横断面は3稜形のものがほとんどで、レンズ形のものがわずかに混じる。
  色はほとんど黒色に近い黒褐色で、強い光沢があり、長さ約1.5mm。
  兵庫県産アオヒメタデの種子とはぼ同じ大きさである。
  ヌカボタデ、サイコクヌカボやヤナギヌカボの痩果は茶褐色で、ほとんどがレンズ形となり、痩果の比較はよい区別点となる。

生育環境と生態
現在、画像はありません 

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
北川政夫, 1982. タデ科イヌタデ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編)
       『日本の野生植物 草本2 離弁花類』 p.19〜24. pls.16〜23. 平凡社
北村四郎・村田源, 2004 タデ科タデ属. 『原色日本植物図鑑 草本編(2) 離弁花類』 p.299〜316. pls.64〜68. 保育社
林辰雄. 2001. タデ科イヌタデ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 600〜616. 神奈川県立生命の星・地球博物館
芹沢俊介・村松正雄. 2009. ヒメタデ. 『レッドデータブックあいち2009 植物編』 167. 愛知県
村田源. 2004. ヒメタデ. 『近畿地方植物誌』 117. 大阪自然史センター
黒崎史平・高野温子・土屋和三 2001. ヒメタデ. 兵庫県産維管束植物3 タデ科. 人と自然12:107. 兵庫県立・人と自然の博物館

最終更新日:22nd.Oct.2012

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