ハダカコンロンソウ | Cardamine leucantha (Tausch) O.E.Schulz var. glaberrima F.Meak. ex H.Hara |
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山地・渓流の植物 | アブラナ科 タネツケバナ属 |
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Fig.1 (兵庫県丹波市・渓流畔 2009.4/23) 山地の渓流畔、湿った草地などに生育する多年草。コンロンソウの変種で、全草にほとんど毛のないもの。 基部から地下に水平に伸びる根茎を出す。茎には毛がなく、直立し、上部で枝を分け、高さ30〜70cmとなる。 葉には長い柄があり、裂片が5〜7個の奇数羽状裂葉。裂片は長楕円状披針形、先は鋭尖頭、基部はくさび形、縁に鋸歯がある。 総状花序は果実期に伸びる。萼片は長楕円形。花弁は白色、倒卵形〜長倒卵形、長さ5〜10mm。長角果は線形。 【メモ】 ハダカコンロンソウはコンロンソウの変種だが、両変種が混生するか、生態的にどのような相違点があるのかなど、詳しいことは調べられていない。 近縁種 : コンロンソウ、 ヒロハコンロンソウ、 ミツバコンロンソウ、 オオマルバコンロンソウ、 マルバコンロンソウ、 ジャニンジン、 タネツケバナ、 タチタネツケバナ、 オオバタネツケバナ、 ニシノオオタネツケバナ、 オオケタネツケバナ ■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 国外の分布は不明 ■生育環境:山地の渓流畔や湿った草地。 ■花期:8〜9月 |
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↑Fig.2 根茎。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.4/29) 基部からは地中に長く伸びる根茎が多数出て増殖し、群生をつくる。 |
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↑Fig.3 茎。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.4/29) 茎は無毛で平滑な点で、コンロンソウと区別される。 |
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↑Fig.4 葉。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.4/29) 葉には長い柄があり、裂片が5〜7個の奇数羽状裂葉。 裂片は長楕円状披針形、先は鋭尖頭、基部はくさび形、縁に鋸歯がある。 |
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↑Fig.5 葉裏の拡大。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.4/29) 葉表は無毛だが、葉裏の脈上には上向きの曲がった毛がまばらに見られる。 |
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↑Fig.6 花序。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.4/29) 花茎の上部で分枝して、複数の総状花序を展開する。花序は開花が進むにつれて上方へ伸びていく。 |
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↑Fig.7 花の核心部。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.4/29) 花弁は白色、倒卵形〜長倒卵形、5脈が明瞭で、長さ5〜10mm。4強雄蕊で、残り2個は側方に傾く。 柱頭はやや扁平な球形。 |
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↑Fig.8 開花後期の花序。(兵庫県香美町・用水路脇 2011.5/26) 花序は花が終わった部分から伸びて、開花後期になると長く伸びている。長角果が熟すのはまだ先である。 |
生育環境と生態 |
Fig.9 河畔に群生するハダカコンロンソウ。(兵庫県丹波市・渓流畔 2009.4/23) 山間の集落内を流れる清流の砂質のスギナが密生する河川高水敷で、オドリコソウと隣り合わせで群生していた。 |
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Fig.10 河畔に生育するハダカコンロンソウ。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.4/29) Fig.7 と同一河川の別の場所の自生状態。 ここではスギナ、オドリコソウのほか、カキドオシ、ソクズ、アサツキなどが同所的に生育している。 |