アツギノヌカイタチシダマガイ(?) Dryopteris simasakii  (H.Ito) Kurata
  var. paleacea  (H.Ito) Kurata
  里山・林下・崖地のシダ オシダ科 オシダ属
Fig.1 (兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)

アツギノヌカイタチシダマガイの正規ページはこちらを参照してください。→アツギノヌカイタチシダマガイ
このページに掲載したシダは掲載当初はサイゴクベニシダとしたが、アツギノヌカイタチシダマガイである可能性を多数の方からご指摘いただきました。
その後、自生地をシダの研究者の方々と訪れ、細部や自生環境を調べ、実物をご覧頂きましたが、個体数が少ないうえ、大きな成葉は破損が著しく、
アツギノヌカイタチシダマガイの可能性が極めて高いものの確定できず、結果は来シーズンに持越しとなってしまいました。
ご指摘・ご意見頂いたM先生、S先生、Sさん、Kさんには感謝申し上げます。
2013年現在、自分の見解としてはアツギノヌカイタチシダマガイに極めて近いが、どちらかというとサイゴクベニシダという考えに到っています。
このページを残すのは、このような個体が見られる場所では、よく探すとアツギノヌカイタチシダマガイが発見できる可能性があるからです。
同所的にヌカイタチシダマガイが見つかれば、アツギノヌカイタチシダマガイが見つかる可能性は高いでしょう。
また、サイゴクベニシダの自生地のそばにヌカイタチシダマガイの生育する岩壁などがあれば、アツギノヌカイタチシダマガイが見つかる可能性もあるようです。


丘陵〜低山地、里山の林床、乾いた崖地などに生育する常緑性シダ。
サイゴクベニシダとヌカイタチシダモドキとの中間的な性質を持ち、以下のような特徴があるようだ。
・葉はふつう3回羽状複生する。
・葉軸の鱗片の辺縁には突起が少ない。
・羽片はほぼ対生・水平開出する。
・サイゴクベニシダに比べて羽片・小羽片の柄は短い。
・最下羽片は長くならず、ほとんど鎌状に曲がらない。
・小羽片は羽軸に直角に近くつき、辺縁には丸みを帯びた切れ込みがあり、小羽片の柄は短い。
・ソーラスは中間生、ときにやや辺縁寄り。
近縁種 : サイゴクベニシダアツギノヌカイタチシダマガイ、 ヌカイタチシダモドキ、 ヌカイタチシダマガイマルバベニシダオオベニシダトウゴクシダ

■分布:本州(東海地方以西)、四国
■生育環境:丘陵〜低山、里山の林床、乾いた崖地など。

Fig.2 地上部標本。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/222)
  葉身は2〜3回羽状複生、卵形〜卵状長楕円形、鋭尖頭。葉質はやや厚く、やわらかい革質、深緑色。
  中軸には葉柄の鱗片に似てやや小型で濃色の鱗片がつく。

Fig.3 葉柄基部の鱗片。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)
  鱗片は赤褐色〜濃褐色、やや光沢があり、膜質、3角状披針形〜線形、先端は毛状に伸び、全縁。

Fig.4 羽片。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)
  羽片は線状披針形、大きいのもには短い柄がある。

Fig.5 葉軸の鱗片。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)
  中軸には葉柄の鱗片に似てやや小型で濃色の鱗片が密につき、袋状鱗片も混じっている。

Fig.6 小羽片。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)
  小羽片は卵形〜卵状長楕円形、円頭〜鈍頭、基部はやや耳状に広がり、浅い心形、短い柄がつくか無柄。
  辺縁は中裂または深裂し、裂片は丸みを帯びる。

Fig.7 羽片裏面。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)
  胞子嚢群(ソーラス)は小羽片の中肋と辺縁の中間近くか、ときにやや辺縁寄りにつく。

Fig.8 苞膜はほぼ全縁で紅色を帯びない。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)

生育環境と生態
Fig.9 林道脇の土崖の斜面に生育するアツギノヌカイタチシダマガイ(?)。(兵庫県西播磨・林道脇斜面 2011.7/22)
午後は日陰となる乾いた堅牢な土崖にベニシダ、オオベニシダ、ヒメイタチシダ、トラノオシダ、シシガシラなどとともに点在していた。
土崖の上では雑木の灌木林の斜面となっている。

以下に高解像度の画像をリンクいたしました。ご興味のある方はご覧ください。
生育環境
葉柄基部の鱗片
葉軸と最下羽片基部


最終更新日:15th.May.2013

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