ヤマイヌワラビ | Athyrium vidalii (Fr. et Sav.) Nakai | ||
山地・里山・林縁のシダ | イワデンダ科 メシダ属 |
Fig.1 (西宮市・湿った林縁 2011.6/23) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.5/22) 山地、里山の湿った林縁や林床などに生育するやや普通に見られる夏緑性シダ。 根茎は斜上〜ほぼ直立し、葉を叢生する。 葉柄は長さ20〜50cm、中軸、羽軸ともにやや紅紫色を帯びるかわら色、基部は暗褐色、鱗片がある。 鱗片は線形〜披針形、長さ8〜12mm、幅約1mm、茶色〜褐色、全縁。 葉身は卵形〜3角状卵形、長さ20〜50cm、幅20〜40cm、2回羽状に複生する。 羽片は短い柄があるか、ほとんど無柄、披針形〜広披針形、長い鋭尖頭。 小羽片は3角状楕円形、鈍頭〜鋭頭、無柄、基部は広いくさび形、羽状に中裂〜深裂する。 裂片は長楕円形、円頭で鋸歯縁。葉質はかたい草質、緑色だが下面は淡色。 胞子嚢群は小羽片は中肋近くにつき、苞膜は三日月形か鈎形または馬蹄形、全縁または不規則な歯牙縁。 近縁種 :ヒロハイヌワラビ、 カラクサイヌワラビ、 タニイヌワラビ、 サキモリイヌワラビ、 イヌワラビ、 ホソバイヌワラビ、 ヘビノネゴザ、 サトメシダ ■分布:北海道、本州、四国、九州、屋久島 ・ 朝鮮半島、台湾、中国 ■生育環境:丘陵〜山地、里山の湿った林縁や林床など。 |
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↑Fig.3 全草標本。(西宮市・湿った林縁 2011.6/23) 中軸、羽軸ともにやや紅紫色を帯びるかわら色。葉身は卵形〜3角状卵形、長さ20〜50cm、幅20〜40cm、2回羽状に複生する。 |
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↑Fig.4 羽片。(西宮市・湿った林縁 2011.6/23) 羽片はやわらかい草質。最下羽片の最下第1小羽片は非常に小さい。 |
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↑Fig.5 小羽片。(西宮市・湿った林縁 2011.6/23) 小羽片は3角状楕円形、鈍頭〜鋭頭、無柄、基部は広いくさび形、羽状に中裂〜深裂する。 |
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↑Fig.6 小羽片の裏面。(西宮市・湿った林縁 2011.6/23) 胞子嚢群(ソーラス)は小羽片は中肋近くにつき、苞膜は三日月形か鈎形または馬蹄形。 |
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↑Fig.7 苞膜は全縁または不規則な歯牙縁。(西宮市・湿った林縁 2011.6/23) |
生育環境と生態 |
Fig.8 シダの多い湿った林縁に生育するヤマイヌワラビ。(西宮市・湿った林縁 2011.6/23) 多湿な林縁から林床にかけて、多くのシダ類と混生している。 同所的にシケシダ、キヨタキシダ、イノデ、ヤブソテツ、ヤマヤブソテツ、ベニシダ、オオバノイノモトソウ、ハカタシダ、ゼンマイ、 イヌガンソク、ヤワラシダ、ゲジゲジシダ、イワガネゼンマイ、イワガネソウ、リョウメンシダ、ヤマムグラ、シソバタツナミが生育。 |