オカタツナミソウ | Scutellaria bracyspica Nakai et Hara | ||
里山・林縁の植物 | シソ科 タツナミソウ属 |
Fig.1 (兵庫県篠山市・社寺林の林縁 2014.6/3) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・社寺林の林縁 2014.5/27) 丘陵〜低山の林縁や疎林下に生育する多年草。 茎は直立し、高さ10〜50cm、下向きの毛が密にある。 葉は1〜2cm程度の葉柄があり、広卵形〜3角状卵形で先端は鈍く、あらい鈍鋸歯があり、基部は切形〜やや心形で、長さ1.5〜5cm、幅1〜4cm、 両面にやや密な毛がある。 花序は茎頂にごく短いものがつき、数花が密に一方向に並んでつく。花冠は淡紫色、長さ約2cm。 分果は長さ1.2〜1.6mmで、円錐状の突起が密にある。 【メモ】 オカタツナミソウの茎の下方につく葉は小さく、草体はふつう逆3角形に見える。 近縁種 : イガタツナミ、 シソバタツナミ、 トウゴクシソバタツナミ、 ヤマジノタツナミソウ、 ホナガタツナミソウ、 タツナミソウ、 コバノタツナミ、 ホクリクタツナミソウ、 ヤマタツナミソウ、 デワノタツナミソウ 関連ブログ・ページ 『Satoyama, Plants & Nature』 タツナミソウの迷宮 ■分布:本州、四国 ■生育環境:丘陵〜低山の林縁、疎林の林床など。 ■花期:5〜6月 |
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↑Fig.3 花序。(兵庫県篠山市・林縁 2014.5/27) 花序はごく短く、少数の花を密につける。花冠は淡紫色で、筒部の基部はほぼ直角にまがり立ち上がる。 |
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↑Fig.4 草体は逆3角状。(西宮市・疎林の林床 2010.6/11) 茎の下方につく葉は小さく、上へ向かうにつれて大きくなる。 開花晩期では画像のように茎は長く伸び、節間はかなり間延びして見える。 |
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↑Fig.5 葉。(西宮市・疎林の林床 2010.6/11) 広卵形〜3角状卵形、縁には粗い鈍鋸歯があり、基部は切形〜心形。 |
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↑Fig.6 葉裏の毛と腺点。(兵庫県篠山市・落葉広葉樹林下 2011.7/8) |
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↑Fig.7 茎の毛。(西宮市・疎林の林床 2010.6/11) 茎には下向きの短い毛が密に生える。 |
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↑Fig.8 果実形成期。(兵庫県篠山市・社寺の林縁 2014.6/24) |
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↑Fig.9 果実期の下萼片。(兵庫県篠山市・社寺の林縁 2014.6/24) 長さ6〜7mm、表面には開出毛が散生し、腺点はない。 |
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↑Fig.10 分果。(兵庫県篠山市・社寺の林縁 2014.6/24) 分果は長さ1.2〜1.6mmで、円錐状の突起が密にある。 |
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↑Fig.11 分果の表面拡大。(兵庫県篠山市・社寺の林縁 2014.6/24) 円錐状突起とその間には微小で半透明な突起を密布している。 |
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↑Fig.12 閉鎖花。(兵庫県三田市・渓流畔の林床 2014.6/12) 花後しばらくの間は閉鎖花をつけ、盛夏に休止した後、秋に再び閉鎖花をつける。 |
生育環境と生態 |
Fig.13 植林地林縁に生育するオカタツナミ。(兵庫県篠山市・林縁 2013.6/7) 管理の行き届いた植林地の林縁付近に多数のオカタツナミソウが点在していた。 周辺には背丈の低いネザサに混じってヤブニンジン、セントウソウ、ハナウド、オオバチドメ、ムラサキケマン、ツルカノコソウ、 ラショウモンカズラ、ハグロソウ、ムロウテンナンショウ、ギンラン、フユノハナワラビなどが生育していた。 |
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Fig.14 社寺林の林縁部に生育するオカタツナミ。(兵庫県篠山市・林縁 2014.6/3) 照葉樹林が発達した社寺林の林縁部分に多くの個体が生育している。 同所的にトウゴクシソバタツナミ、キランソウ、ドクダミ、ミヤマフユイチゴ、ヤブヘビイチゴ、チゴザサ、イノコヅチ、ダイコンソウ、 チヂミザサ、ヤマイヌワラビ、ヒロハイヌワラビ、オオハナワラビなどが生育していた。 |