ハコネイノデ Polystichum X hakonense Sa.Kurata
  低山・林床の植物(雑種) オシダ科 イノデ属
Fig.1 (京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)

サイゴクイノデとアイアスカイノデの推定種間雑種。常緑性。
葉はアイアスカイノデに似て細長く、淡緑色〜緑色、やや厚味のある草質、表面の光沢は少ない。
葉柄はサイゴクイノデよりも長い。葉先はサイゴクイノデに似て、急に狭くなり鋭頭。
葉柄基部の鱗片は狭披針形〜披針形、中央が濃栗褐色となるものが混じり、光沢はなく、ほぼ全縁。
中軸中部の鱗片は披針形、淡褐色〜褐色、辺縁には突起がある。
ソーラスは小羽片の辺縁寄りにつき、下部のものは小羽片の耳片の両側から優先してつく。

サイゴクイノデP. pseudomakinoi)は夏緑性で、葉表に光沢はなく明るい淡緑色、基部鱗片には黒褐色のものが混じる。中軸の鱗片は披針形〜線形。
ソーラスはいちじるしく辺縁寄りにつき、小羽片基部前側の耳片からつく。
アイアスカイノデP. longifrons)は常緑性で、葉表に光沢があり濃緑色、葉柄基部の鱗片は狭披針形で、黒褐色のものが混じる。ソーラスは辺縁寄りにつく。
ミツイシイノデP. X namegatae)はイノデモドキとツヤナシイノデの雑種。中軸にはイノデモドキよりも幅広い鱗片が上向きにつく。
近縁種 : サイゴクイノデアイアスカイノデイノデイノデモドキネッコイノデ、 チャボイノデ、 カタイノデ、 サカゲイノデツヤナシイノデ
ハリマイノデ(雑種)フナコシイノデ(雑種)ナメライノデ(雑種)

■分布:本州(関東以西)、四国、九州
■生育環境:低山の林床など。

Fig.2 葉先。(京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)
  葉の形はサイゴクイノデにやや似ており、葉先は急に狭くなる。葉面は淡緑色〜緑色で、やや光沢がある。

Fig.3 葉柄基部の鱗片。(京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)
  葉柄基部の鱗片は狭披針形〜披針形、中央が濃栗褐色となるものが混じり、光沢はなく、ほぼ全縁。

Fig.4 基部鱗片の拡大。(京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)
  辺縁には突起がほとんど見られない。

Fig.5 葉柄上部の鱗片。(京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)
  基部鱗片よりもかなり小さくなり、辺縁には不斉な突起が生じている。

Fig.6 中軸中部裏面の鱗片。(京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)
  中軸中部裏面の鱗片には辺縁に明瞭で不斉な突起が多数ある。

Fig.7 羽片の裏面。(京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)
  ソーラスは小羽片の辺縁寄りにつき、下部のものは小羽片の耳片の両側から優先してつく。

Fig.8 ソーラスの拡大。(京都府山城地方・植林地の林床 2015.6/4)
  胞子嚢内に胞子は作られておらず、扁平に凹んでおり、はじけていない。

生育環境と生態
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最終更新日:23rd.July.2015

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