コウライテンナンショウ | Arisaema japonicum Blume var. atropurpureum (Engler) Kitamu. |
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山地・林縁・林床の植物 | サトイモ科 テンナンショウ属 |
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Fig.1 (岡山県真庭市・植林地の林縁 2010.6/1) 丘陵〜山地の林縁や林床に生育する多年草。 地下茎は扁球形で、上部から多くの根を出す。 葉は2個、小葉は鳥足状に5〜13個つき、長楕円形〜楕円形、鋭尖頭、ふつう全縁ときに鋸歯がある。 仏炎苞はふつう緑色で舷部に白色の縦すじが入り、長さ9〜15cm、鋭尖頭または尾状。舷部は卵形で、基部は狭く開出する。 肉穂花序の付属体上部はやや棍棒状となり、幅3mm内外で、先は円い。 【メモ】 狭義マムシグサと区別しにくいものや、ホソバテンナンショウと区別しにくい中間的な集団が現われることがあり、 その場合はかなり慣れないと区別困難。 近縁種 : ホソバテンナンショウ、 カントウマムシグサ、 アオテンナンショウ、 ムロウテンナンショウ、 ヒロハテンナンショウ、 セッピコテンナンショウ、 キシダマムシグサ、 ヤマトテンナンショウ、 オオマムシグサ、 ミミガタテンナンショウ、 ハリママムシグサ、 ユキモチソウ、 ムサシアブミ ■分布:北海道、南千島、本州、九州 ・ 朝鮮半島、満州、東アジア ■生育環境:丘陵〜山地の林縁、林床など。 ■花期:4〜6月 |
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↑Fig.2 葉は2個つく。(岡山県真庭市・植林地の林床 2010.6/1) 画像の下方から左上に伸びる第1葉は、上方から右上に伸びる第2葉よりも大きい。 仏炎苞の位置は葉よりも下にあったり、上にあったりと様々である。 |
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↑Fig.3 第1葉。(岡山県真庭市・植林地の林床 2010.6/1) 5〜13個の小葉が鳥足状につき、小葉は長楕円形〜楕円形、鋭尖頭、ふつう全縁。 |
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↑Fig.4 葉のバリエーション。(岡山県真庭市・クリ園の林床 2010.6/1) 葉幅のやや狭い個体。変異が多いため1個体だけで種を区別することは無理がある。 |
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↑Fig.5 仏炎苞。(岡山県真庭市・植林地の林床 2010.6/1) 仏炎苞の形はマムシグサと同様、舷部はホソバテンナンショウより長く、先は鋭尖頭または尾状。 舷部の基部は開出するが、その幅はホソバテンナンショウよりも狭い。 |
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↑Fig.6 付属体。(岡山県真庭市・クリ園の林床 2010.6/1) 肉穂花序の付属体の先は棒状〜やや棍棒状で、幅3mm内外。 マムシグサの幅は6mm内外、ホソバテンナンショウは幅2mm内外だが、3種とも変異が多く、中間的な集団も存在する。 |
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↑Fig.7 若い個体。(岡山県真庭市・植林地の林床 2010.6/1) |
生育環境と生態 |
Fig.8 クリ園の林床に生育するコウライテンナンショウ。(岡山県真庭市・クリ園の林床 2010.6/1) 除草剤が撒かれて雑草の枯れた中に生育していた。 多くの雑草が枯れている中、しっかりした根茎が地中にあるカラスビシャク、ドクダミ、根が肥大しているヤブランなどとともに見られた。 カラスビシャクと同様、除草剤には強い種なのかもしれない。 |